香久矢たちが全国弓道王大会に出るという。期待通りに勝ち進む香久矢の前に、中学一年生ながら高い実力をもつ那須ゆみかという少女が現れる……
昨年末から今年始にかけてNHKで放映された『ツルネ ―風舞高校弓道部―』を思い出すが、比べても所作などに大きな違和感はない*1。ていねいに取材したのだろう、スポーツアニメとして単独で楽しめる出来になっていた。
構成も珍しく、プリキュアとして敵を退ける局面を中盤に配置して、怪物化した那須を救ってからクライマックスで決戦がおこなわれる。対決するふたりの思想の違いを一話内で引き出しつつ、わだかまりを解いて正面から対決する展開へ導くというかたちで、プリキュアという番組フォーマットが障害になっていないところもいい。
しかし結末で来年の再戦を約束する香久矢と那須だが、高校一年生と中学二年生でも同じ大会で戦うのだろうか? ざっと検索した限りだと、現実の大会では中学と高校でわかれているようなのだが。架空の大会と思うべきか、それとも年が明けた年始にも大会があるのだろうか?
あと、 香久矢父娘が初めて弓道で顔をあわせたエピソードでは、コミュニケーションの一方通行ぶりが印象的だった。
『スター☆トゥインクルプリキュア』第5話 ヒミツの変身☆お嬢さまはキュアセレーネ! - 法華狼の日記
目を引いたのが冒頭の弓道だ。矢を的中させたばかりの香久矢の背後から、父親が賞賛の声をかける。まだ残心を終える前から声をかけることで、父が娘の成績のみ注目するような人物とわかる。一方で娘は父の言葉に反応せず残心をつづけることで、父娘の一方的かつ不全なコミュニケーション状態が映像を見ているだけで実感できる。
今回は隠れて応援していたらしい父や、仕事がいきづまっている父を思って弓を射る娘が描かれたわけだが、まさかそれでコミュニケーションの不和が解消したわけではないだろう。
宇宙人の手がかりを父がつかめないでいるのは、娘が隠していることも要因のひとつ。いずれあらためて父娘の相克が描かれると予想できるが、さて今回をふまえてどのように展開してくれるかな……