S-1星の文明が滅びかけていた。そこで軍人ガットラーが総統となって宇宙へ進出し、新たな居住地を見つけようと画策する。反対する科学者の父を殺され、脱出した青年マリンは逃げながら超空間をとおった結果、地球にたどりついた。
一方、S-1星の侵攻部隊も超空間をとおって地球への侵略をはじめる。そのなかには、マリンの父を襲撃した弟が死に、復讐を考えて司令官になった女性アフロディアもいた……
葦プロダクションが制作した1981年のアニメ映画。1980年から1981年初頭まで放送されて地球の水没場面で打ち切られたTVアニメの、真の結末として年末に公開された。
前半がTVの総集編で、地球水没で打ち切られた終盤の展開を劇場版で明かしたという知識は知っていた。超エネルギーをめぐって異文明と争い、打ち切られたロボットアニメとして『伝説巨神イデオン』のフォロワーのような作品だとも。
しかし実際に視聴すると、侵略される地球に敵勢力からたったひとりで味方する主人公という導入や、その主人公が仲間に入れてもらえるまでかなり時間がかかること、地球内部の勢力争いが敵に利用される策略など、後年の『蒼き流星SPTレイズナー』に似ていると感じた。TVでの打ち切りから別媒体の新作で結末まで見せたことも同じだし、終盤に明かされるどんでん返しの真相も似ているといえば似ている。
あまりにも地球側が主人公を信用しなさすぎで、そのため一時期敵勢力に寝返ってしまうくらいだが、そこまで地球と敵の対立を強調したからこそ、どんでん返しの意味がある。『戦闘メカ ザブングル』のSF性を先取りしているところもあるし、ロボットアニメ映画としては期待外れ*1でも、レトロ感のあるSF映画としてはけっこう楽しさがあった。
いかにもロミオとジュリエット展開になりそうな作りだが、女司令官が意外と最後の最後まで主人公への憎悪を忘れないし、戦いをためらわないところも良かった。
映像面では、古い作品と知ってなおディテールが古めかしく感じたし、敵首領などヒトラーパロディのデスラーのさらなるパロディにしか思えなかった。ただ敵女性司令官の眼鏡のデザインがあまりに地球そっくりなところなど、考えていない設定と思ったところにSFとして意味が出てくるところが悔しい。キャラクターデザインは当時なりの良さがあった。
作画はいのまたむつみが筆頭だったりとクレジットには良い名前がそろっているが、前半がTV総集編でばらつきがはげしくて、後半にもちなおしても見直すほどではない。メカ全般も『機動戦士ガンダム』*2で進化する以前のタツノコ作品くらいのスタイルで、新規作画部分だけようやく『宇宙戦艦ヤマト』の金田伊功パートに近づいているくらい。あと、イラストレーションとして影山楙倫がおそらく挿入歌パートを担当していて、アニメ監督として作画に力を入れすぎない現在からは信じられないほど繊細でシャープな絵を見せる。

