輝木が以前に助けてペットにしていた犬「もぐもぐ」が、どうやらタレント猫の「りりー」に恋をしたらしい。そこで共演の可能性にかけてCMオーディションに向かうと……
井上亜樹子脚本。異種族間の恋愛をコメディタッチで描くことで、多様なセクシャリティを肯定する。輝木のドラマが始まるかと思わせて、えみるとルールーの関係をあらためて強化する展開になるとは予想できなかった。
もちろん輝木とハリーの関係が進むための前振りでもあろう。そのことはハリーに同族として執着するビシンが敵としてあらわれることで暗示される。猫のデザインが前作のキュアマカロンを連想させるところも楽しかった。
ただ、そのように現代の理想を描くならば、動物を擬人化する危険性への留意もほしい。たとえば、主人公たちは恋愛と思いこんでいたが犬自身は猫ではなく画面に映った別の何かに執着していた、といった真相を用意していても良かったのでは。