法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第32話 これって魔法?ほまれは人魚のプリンセス!

ついにスケート大会で優勝できるまでに復調した輝木だが、その理由を問われて口をにごす。その視線の先にはハリーがいた。一方、ハリーに執着する敵幹部ビシンが策略を立てる……


高橋晃作画監督らしく、動きは少ないが整った絵で、悲恋の物語を追体験していく。
ハリーに執着するビシンはてっきりライバルの姫を装うかと思いきや、輝木に哀しみを実感させる魔女を装う。すでに敗者である自分を自覚して、現在のライバルに自分と同じ負けを認めさせようとする態度が、単純に奪おうとするより重い。


そのように輝木とハリーとビシンのドロドロした三角関係が描かれたわけだが、絵本の世界にとりこまれるパターンを使って、アニメとして見やすくしていた。
まず猛オシマイダーにとりこまれるのは輝木とハリーだけで、メインストーリーに不要なキャラクターは除外し、じっくりドラマを展開。今回に明らかとなった新情報も多いのに、語り口に余裕があって、情報をじっくり視聴者が吟味できる。
排除された他のプリキュアたちは外部でギャグに徹する。内と外の温度差がそれぞれを引きたてつつ、さらに見やすく子供向け番組として成立させる。
野乃ひとりだけ浦島太郎の老人になるギャグもいい。主人公らしくオチを担当しつつ、イジメから守るキャラクターと、止まった時間を進めるキャラクターとして、ちゃんとそうなる納得感がある。