法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第40話 ルールーのパパ!?アムール、それは…

やってきたトラウムにルールーは反発して去ってしまう。とりあえず野乃たちはトラウムを受けいれ、ハリーとともに未来で起きたことを聞かされる……


坪田文シリーズ構成の脚本で、前回ラストの再会からルールーの親子のドラマをほりさげつつ、ハリーが現代に来るまでの説明も終わらせる。
隠したい過去をハリーに語らせるきっかけとしてトラウムのドラマを後回しにしたのだとしたら、なかなか技巧的なシリーズ構成ではある。そもそも、もっと早く説明すべき設定だろうとは思うが、敵の手先として暴走していたことなどが恥ずかしかったのだろうとも感じさせる回想ではあった。
また、さすがに第37話のイベント回で退場するのでは消化不良と思っていたトラウムだが*1、ルールーにまつわる今回の描写まで見れば悪くはない。アンドロイドとして肉体は変わらないが、心は幼い時の姿を描いて、育児の難しさを短時間で感じさせる。
音楽で心をかよわせようとする愛崎に先んじて、ちゃんと言葉をかわして理解した結末も良かったし、それで全てを許したわけではない距離感も好ましかった。


ただ、終盤でジェロスが攻めてきたところは物語の流れから浮いていた。玩具販促番組のノルマとしてしかたないとはわかるが、これが映像ソフト販促のための深夜アニメならば未来プリキュアの描写でノルマが達成したことになったろう。
たとえば攻めてくるのがビシンで、生きていたトラウムを追いかける描写をとおして、同じように自分から去っていったハリーへの執着を描きなおし、回想のドラマにつなげることなどはできなかっただろうか。