法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第5話 宙を舞え!フレフレ!キュアエトワール!

プリキュアへの変身に失敗した輝木は去ってしまう。野乃は応援しようと声をかけたが、それが相手の負担になるとハリーがさとす。
そしてハリーは生計をたてるため女性向け店舗を開くこととなった。そこで野乃と薬師寺は輝木にアドバイスしてもらい、店は立ちあげに成功するが……


佐藤順一コンテに大田和寛作画監督と、スタッフには力が入りつつも、とびぬけた良さは感じなかった。完成した映像は上質だが、前回*1のような作画の驚きや楽しさがない。
目を引いたのは、フィギュアスケートの作画を無理なくこなしていたことくらい。輝木がビル壁にはりつけられた場面のコンテやレイアウトも少し良かったが……新プリキュア変身回なら、もっとアクションにボリュームがあってほしかった。


物語の流れも驚きはなかったが、こちらはていねいさが良い味を出していた。
作品のメインモチーフである応援が、必ずしも良いことだけではないと留意する描写があったのが感心したし、それを理解してなお応援したいと野乃が思うことでキャラクターにも奥行きが生まれる。ハリーも実際に育児を担当するキャラクターらしい成熟ぶりを感じさせ、さらに店舗の経営を始めることで良い意味で社会人らしさが生まれた。
怪物が生み出されることで過去に向きあうという定番を、プリキュア誕生回に持ってきたこと。プリキュアの拠点固めには、変身できなくても参加できること。番組のフォーマットを固める展開で、無理なく輝木を舞台の中央に立たせる。
地味なところで、ルールーとのやりとりで、新プリキュアが登場する前振りをしつつ、チャラリートを弱体化させすぎない小技も良かった。あらかじめ限界を理解したかたちで作戦を展開したならば、限界を超えた状況で敗北しても愚かとは感じさせない。