下記の匿名エントリが注目されている。
アニメで最も衝撃だったシーン
はてなブックマークでも少なくない作品があげられているが、いくつかは作品の世界観やスタッフの作風から考えて予想できる範囲内だと感じられる。
そこで、ただ残酷だったり悲劇だったりにとどまらず、落差の衝撃という意味でいえば、『キテレツ大百科』第44話「 ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」を推したい。ちょうどGYAO!で作品を配信しはじめたので、少し待てば視聴できる。
https://gyao.yahoo.co.jp/p/00111/v08169/
もちろん藤子F作品は、子供向けでも本気のホラー演出やトリッキー展開を見せることは少なくない。『ドラえもん』ではTVアニメ版でも毒気に満ちたエピソードがしばしばある。
しかしTVアニメの『キテレツ大百科』は、かなり生活感ある人情ドラマにアレンジされていた。原作がわずか全40話しかないのに、300話以上にわたる長期シリーズとして放映され、オリジナルストーリーが多くて、原作の毒気はかなり抑えられていた。
登場人物も、瞳があらぬ方向を見ているデザインのコロ助は生意気なマスコットロボットとなり、ブタゴリラは家業に誇りをもつ誠実な少年となった。
そのようなTVアニメ版の『キテレツ大百科』だからこそ、放映1年目に原作から「冥府刀」がアニメ化された衝撃は強かった。
もともと原作でも屈指の恐怖譚であり、白昼の影を濃厚に描いた絵作りから普段とは雰囲気が違っていた。しかし原作では気のぬけたようなオチとともに、急転直下で事態が解決した。そこをアニメ版では、人間の手のおよばないところで事態が収拾され、日常の裏側に恐怖がひそんだままという独自のオチがつけられた。
もっとも、30年近く前の子供向けアニメなので、現在に視聴すると絵作りはゆるく、恐ろしさを感じにくいかもしれない。しかし明るい方向にアニメ化したとばかり思って油断していたので、リアルタイムで見た当時は本当に衝撃を受けたものだ。