これまでの話数でつみかさねた技術*1の集大成をもって、水崎氏の観察眼が俳優である両親に認められるエピソード。
アニメーターもまた演技者であるという思想とともに、浅草氏や多くのスタッフと力をあわせ、金森氏にプロデュースされたアニメの完成形が披露される。
同時に、今回だけでも箸のもちかたというモチーフで、きれいに起承転結がまとまっている。
水崎氏の孤独を暗に描きつつ、作品に作者が反映されることの象徴でもある。浅草氏や金森氏がおかしいと主張する発端により、教育的でありつつ相対化されて、マナーを絶対視しないよう留意もされている。
また、このモチーフは原作にはないアニメオリジナル描写らしいが、湯浅政明監督の経験が反映されたものだろうか。『キテレツ大百科』のキャラクターデザイナーとしてクセを意図せず映像化してしまったことが、以前から一部で知られている。
湯浅さんがインタビューで言ったりするキテレツの時のバッテン持ちの箸
— 五十嵐塩 (@kaiikarashi) 2018年6月9日
というのがこれですね pic.twitter.com/VcacHKkAwk
*1:第7話でリフレインされた、水崎氏と他者をつなげる水の動き。それを連想させる作画の1カットがさりげなくも印象的。