法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『映像研には手を出すな!』第8話  大芝浜祭!

これまでの話数でつみかさねた技術*1の集大成をもって、水崎氏の観察眼が俳優である両親に認められるエピソード。
アニメーターもまた演技者であるという思想とともに、浅草氏や多くのスタッフと力をあわせ、金森氏にプロデュースされたアニメの完成形が披露される。


同時に、今回だけでも箸のもちかたというモチーフで、きれいに起承転結がまとまっている。
水崎氏の孤独を暗に描きつつ、作品に作者が反映されることの象徴でもある。浅草氏や金森氏がおかしいと主張する発端により、教育的でありつつ相対化されて、マナーを絶対視しないよう留意もされている。
また、このモチーフは原作にはないアニメオリジナル描写らしいが、湯浅政明監督の経験が反映されたものだろうか。『キテレツ大百科』のキャラクターデザイナーとしてクセを意図せず映像化してしまったことが、以前から一部で知られている。

*1:第7話でリフレインされた、水崎氏と他者をつなげる水の動き。それを連想させる作画の1カットがさりげなくも印象的。