法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

別地域の写真を南京が平和だった証拠としている「しきしま会」って、注射器を闇サイトで売って有罪判決を受けた「ボウズP」だよね……

何かというと、下記エントリで批判されている件のことなのだが。
「歴史戦」の研究: 薄っぺらい「宣撫工作」理解と歴史修正主義

 この数日、ツイッターで相当の回数「拡散」されているブログ記事がある。「拡散希望です)大陸に出征した軍医さんへの命令書(未公開)2016.1.26」と題する約2年前のものだ。ケント・ギルバート高須克弥のアカウントまで「拡散」に加わっている。

南京事件の証拠とされる写真が、南京で撮影されたものではなかった!」というのは南京否定論者が好んで主張してきたことであるが、なんのことはない「南京事件が捏造の証拠、とされる写真が南京で撮影されたものではなかった!」のである。ちなみに、コメント欄をみると、すでに同様の指摘がいくつもなされている。しかしブログ主もこの数日の拡散者たちも、そんなことはまったく意に介する様子はない。

たぶん軍医のアルバムそのものは貴重な資料だと思うのだが、おさめられた文章や写真の文脈をねじまげてはせっかくの価値を奪うだけだ。


そしてアルバムを孫から受けとってブログ記事にした「しきしまりょうじ」という人物は、かつて「ボウズP」と名乗ってニコニコ動画で配信し、人気を集めていた*1
ボウズプロパガンダーとは (ボウズプロパガンダーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
しかし当時も話題に便乗して主張を流布したりしたため、「検索妨害」としてニコニコ動画ですら良い評判ばかりではなかった。

エンターテイメントカテゴリへの投稿や、(死亡直後の)スティーブ・ジョブズを話題に取り組むなど無闇に釣り行為をしていた。そういった不当行為が目立ったため、運営によって一連の動画が削除されることもあったが、「ニコニコに政治的な圧力がかかった」と陰謀論を展開して運営を批判した。

また、既存の愛国的なデモに自分を宣伝するために参加しているとして、既存の愛国的コミュニティとの対立もあった。

活動とは言っても殆どは「他人主催の抗議デモへの便乗」や「著名人との(無理矢理な)共演による売名」であり、「自身らによる抗議デモの企画」や「デトックスジャパンによる講演会」などは行なわれていない。

デモ便乗が主体だが、デモに参加しない者まで打ち上げに参加しているという。そのため、「デモを出会いの場に利用しているのでは?」と疑問視されている。その他デモに参加して大声を上げるなど、護国活動が目的化(手段の目的化)する傾向にある。

そして2011年の逮捕と、執行猶予つきの有罪判決を受けて、ボウズP氏の愛国的コミュニティの存在感は急速にしぼんでいった……
無許可で注射器販売した疑い 闇サイトで、男2人逮捕 :日本経済新聞

警視庁サイバー犯罪対策課は9日までに、ブリーダーの西田利行容疑者(56)=津市美杉町下多気=と獣医師の沓沢亮治容疑者(44)=福島県いわき市錦町上中田=を薬事法違反の疑いで逮捕した。同課によると、両容疑者は容疑を認めている。

 同課によると、沓沢容疑者は5月以降だけでも西田容疑者に2千本以上の注射器を転売。西田容疑者の闇サイトは薬物常習者の間で有名だったという。


……しかしボウズP氏を信奉するコミュニティは残ったし、ボウズP氏自身も2012年に釈放されてすぐ政治活動へ復帰した。
いくつかの配信チャンネルは閉鎖したが、コミュニティは数年かけて装いを変えていき、かつての悪行は忘れられて復活しつつある。著名人も「拡散」にくわわるほどに。
そして現在、「しきしま会」というコミュニティ名も「NHKから国民を守る党」へ変えて、2019年の統一地方選に立候補するため選挙活動をおこなっているという。

*1:「bouzup.blog.jp」というブログURLからも、見る人が見ればわかるようになっている。