法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第25話 電撃結婚!?プリンセスゆかり!

コンフェイト公国のナタ王子が、街角で見かけた琴爪ゆかりにプロポーズ。その強引な態度を批判した剣城あきらをナタ王子は恋敵と思いこむ。
さまざまな勝負をする剣城と王子だが、微妙に空回りをつづける。そして琴爪もアンニュイな気分を深めていった……


これまで琴爪回を多く手がけてきた坪田文脚本による、視聴者の妄想をかたちにしたようなエピソード。とはいえ王子像が当て馬にしても古臭くて、大人びたラブコメエピソードとまでは行かなかった。
予想外な弱さを見せる琴爪にしても、内面を見せずにミステリアスな雰囲気をたもつため、期待していたよりも魅力が薄い。王子の思いこみを否定せずに終わるイタズラっぽさに、いつもどおりの良さを感じたくらい。
興味深かったのは、剣城の良さは性格が優しいだけで、能力は平凡という描写の一貫性。王子が勝負のルールをふみはずしているから負けてないだけで、突出した技能で勝てているわけではない。ダンスも琴爪にリードされるだけで、対する王子の失敗について具体的に論評するのは立神の役目。最終的な決着も、どちらも正面から競えなかったため中断されたという雰囲気。
自然体なだけで周囲からは憧憬や嫉妬の対象に映る。それは何も特別なことではないのだと示す物語。性差の越境に特別な理由や努力を必要としないモダンさが心地よかった。