法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

橋下徹弁護士に懲戒審査が行われることとなった

しかし、知事の座にある現在は最初から弁護士業を停止しているし、弁護士への復帰が難しそうでも、このまま風見鶏な政治家として転身しそうな予感がしてならない。
実際に報道量も少なく、多くのメディアにも話題性があるとは考えられていないようだ。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091130/trl0911302027011-n1.htm

橋下氏は「懲戒審査相当」、大阪弁護士会が議決 「発言は悪質」
2009.11.30 20:27

 大阪府知事橋下徹弁護士が山口県光市の母子殺害事件の被告弁護団懲戒請求するようテレビ番組で呼びかけた問題で、大阪弁護士会綱紀委員会は「発言は悪質で弁護士としての品位を害する」として、同会懲戒委員会で審査することが相当と議決した。議決は11月10日付。

 綱紀委は4月、審査を求める方向で意見をまとめ、5月に橋下氏の代理人から事情を聴いた。懲戒委は1年以内に橋下氏を懲戒処分とするかどうか判断するとみられる。

 橋下知事は30日、「議決はまだ見てはいないが、弁護士自治の根幹にかかわることでもあり、弁護士会が判断すべき問題だと思っている」とコメントした。

光市母子殺害事件弁護団への請求が通らず、橋下弁護士への請求が通りそうな現状は、逆説的に懲戒請求という制度が曲がりなりにも正しく機能できている証拠だ。しかし、刑事弁護への様々な偏見が流布され、立ち位置の理解も不充分な現状では、全く逆の印象を与えるだろう。
以前から何度も書いてきたことだが、ここで光市母子殺害事件のみではなく、刑事弁護全体の必要性をうったえる報道がほしいところ。明らかに冤罪ではない事件でも刑事弁護人は力をつくさなければならないということが、あまり周知されているとは思えない。


もちろん、冤罪の可能性を追求することも必要ではある。だが、光市母子殺害事件裁判が典型的なように、恭順姿勢が重視される現行の司法では、冤罪の可能性を主張すると量刑が重くなる可能性がある。刑事弁護人の悩みは大きい。
ちょうど最近にも、警察の提出した物証、それも指紋の鑑定にミスがあったらしいという弁護人側の発表があった。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091203k0000m040137000c.html

東金女児殺害:レジ袋の指紋、被告と不一致 弁護側鑑定

 千葉県東金市で08年9月、保育所園児、成田幸満(ゆきまろ)ちゃん(当時5歳)が殺害された事件で、殺人罪などで起訴された同市東上宿、無職、勝木諒(りょう)被告(22)の弁護団が、物証とされる指紋の鑑定を民間研究所に依頼したところ、勝木被告と一致しない結果だったことが分かった。事件関係者が2日、明らかにした。弁護団は3日に会見し、鑑定結果を公表する見通し。

 捜査関係者によると、幸満ちゃんの衣服と靴が入れられていたレジ袋から検出された指紋の一つが、県警の鑑定で勝木被告の指紋と一致したという。

 この指紋を改めて鑑定したのは、斎藤鑑識証明研究所(宇都宮市)の斎藤保氏。事件関係者によると、レジ袋の指紋と勝木被告の指紋が、一部合致しない部分があった。斎藤氏によると、指紋が一致すると判断するためには、指紋線にある12の特徴点がすべて一致しなければ完全一致とはならない。一つでも特徴が異なる「矛盾点」があれば不一致とされるという。

 3日は公判前整理手続きが予定されており、弁護側は今回の鑑定結果を、無罪主張の根拠の一つにする方針。【中川聡子、神足俊輔】
毎日新聞 2009年12月2日 23時53分(最終更新 12月3日 8時28分)

不一致があれば別人と鑑定されるのは常識かと思っていたが、どうしてこういうことになったのか捜査側の反論もほしい。
それにしても、しっかり報道を追っていた事件ではないが、自白した被告に知的障碍*1があるという報道からも、色々とやりきれなさを感じてしまう。

*1:5〜9歳相当らしい。