法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第26話 夏だ!海だ!キラパティ漂流記!

暑い夏、海辺で遊び疲れた宇佐美たちは、海面に浮かべたパティスリーで寝入ってしまう。
目ざめると、そこは無人島。帰るために食材を探して島を探索するが……


今回の絵コンテは、まさかの紅優。とはいえ本名の森川滋名義で『スマイルプリキュア!』に参加していたこともあるので、不思議ではないか。脚本は第9話に参加していた黒須美由記で*1作画監督渡辺慶子。
敵幹部ビブリーとの意外なドラマを描くスペシャル回として、絵も話も力が入っていて、特に引っかかるところもない。偶然の出会いで物語を進める御都合主義は第9話と同じだが、今回はそれを敵味方が無人島に流れつく物語の前提にしているので、最初に許せば以降のドラマは楽しめる。
物語の要所を宇佐美ひとりに負担させないことも良かった。宇佐美はパティスリーが漂流するきっかけを作るだけで、ビブリーと出会うのはキラ星だけ。キラ星は弟をノワールの幹部にされた立場であり、プリキュアになる前はひとりで活動していたこともビブリーの孤独に通じる。敵へのとどめを新プリキュアが担当している時期なので、ドラマとアクションのピークがクライマックスで一致する良さもあった。
一方、人形しか相手がいなくて、ノワールにすがるしかないビブリーの孤独もいい。さしだされたスイーツをそのまま食べるのではなく、生還に利用するだけの結末もいいキャラクターをしている。このままドラマを積みあげていけば、プリキュアの仲間になってもならなくても面白い結末をむかえられそう。