法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第11話 決戦!プリキュアVSガミー集団!

スイーツフェスティバルが始まり、宇佐美たちも出店する。そこに父親がやってきて、宇佐美は恥ずかしがって追いだそうとする。
一方、これまで一体ずつ襲ってきたガミーたちが集結。謎の少年が監視するなか、いっせいに襲いかかってきた……


田中仁脚本。親離れしつつある思春期っぽい少女と、そんな娘の自立を好ましく思う父親のドラマ。そこに過去に倒してきた敵とのひとまとめの再戦と、成長による勝利を重ねあわせる。
前回で期待したコンテストらしい展開はなかったが*1、よくできた物語構成だった。けして悪い親ではないのに宇佐美が嫌悪する気持ちもわかるし、幼いころの回想は、宇佐美個人の変化を見せるにとどまらず、スイーツを愛する街の文化が根づいていることを示す。
過去回のゲストキャラクターも顔を見せ、それを受けるかたちで宇佐美以外のプリキュアの存在感も充分に出ている。ただ立神だけは、ちょっと存在感が弱かった。今後にバンドとスイーツのどちらを優先するかというドラマがあらためて描かれるのかもしれない。
カバン状態のパティスリーから長老が具現化する描写から、大人が対応する必要がある局面を主人公たちどのようにクリアしているかも明確化された。


複数の敵が再登場して、設定等は使いまわせても制作が大変だろうに、アクションは期待以上に充実。
まずフェスティバル会場で物語本編が終始するという舞台設定が見事。物語においても、出店しているテントで空間が分断されるため敵と一対一で戦う状況にもできるし、敵が合体してもすぐにプリキュアが戻れるので物語の流れがよどまない。そして人々が集まった場所であることが、劇場版のようにキラキラルを集める最後の逆転劇につながる。舞台を制限することで、リソースの節約にもなっているはず。
宇佐美父の格闘家という設定も活用されていた。ひとりだけ敵にたちむかってプリキュアになった宇佐美とのドラマを作りやすいし、対抗できるレベルでガミーとプリキュアの強さも明確になる。よくアニメや特撮で子供や女性がおこなう、つかまえた敵の腕を噛んで脱出するというパターンを、大の大人がやるという逆転も楽しかった。

*1:となると今後も料理漫画のようにスイーツで競いあう展開は、ほとんど出てこないだろう。