法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法つかいプリキュア!』第43話 いざ妖精の里へ!あかされる魔法界のヒミツ!

前回に開いた扉を抜けて、チクルンと主人公たちは妖精の里へとやってきた。すると、ことはがなぜか妖精サイズにちぢんでしまう。
そして女王とチクルンの再会が終わった後、ことはの記憶にある「花の海」についての話を、先々代のさらに先々代のレジェンド女王から聞くのだが……


どのように魔法界が生まれたかという説明回。壮大な設定の過去語りを、整った作画で見せていく。これまで魔法界視点で我々の世界をナシマホウ界と呼んできたが、どちらかといえばナシマホウ界が先に存在した設定らしい。
世界設定の伏線は少なかったが、キュアフェリーチェには仏教的な表現が多かったので*1、世界をかたちづくった神的存在と示唆されたことへの納得感は高い。
ただ、今作前半の敵幹部をオルーバが復活させたのは、前半に使いきれなかった敵幹部にドラマとして決着をつけるためだとしても、本来はプリキュアの味方になる陣営の手先だったという設定からは違和感ある。いったん浄化されて元の動物に戻っていたこともあり、いっそ妖精として復活してプリキュアに協力する展開でも良かったのでは、などと思った。


ところで、主人公ではなく新プリキュアに壮大な背景が隠されていたという展開は、シリーズ初代2期『ふたりはプリキュア Max Heart』以来の、シリーズ伝統といえるだろう。『スイートプリキュア♪』では新プリキュアが王家の子供だったし、『ドキドキ!プリキュア』も同工異曲。そして最初のプリキュアは一般人という立場を変えない。
しばしば少年漫画が一般人としてはじまった主人公に特殊な血筋や因縁をつけくわえがちなことと比べて、現代*2の少女向け作品の主人公は血筋や因縁など関係なく進みつづける……という傾向を感じている。『プリキュア』シリーズもその一例といえるだろう。そう考えていくと、主人公の祖母もプリキュアだった『ハートキャッチプリキュア!』は、シリーズで特異的に少年漫画らしさが強い作品だったといえるかもしれない。

*1:『魔法つかいプリキュア!』第23話 これからもよろしく!おかえり、はーちゃん! - 法華狼の日記などで言及した。

*2:なお、過去は『美少女戦士セーラームーン』等のように、ごく初期に主人公の因縁を明かす作品が多かった気がするが、その時代の傾向をつかむほど体系的に鑑賞しておらず、断言することはできない。