法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒season14』第19話 神隠しの山の始末

陶芸工房に監禁された杉下は、ともに監禁された電話工事業者と脱出をこころみる。
一方、冠城は強盗犯殺害事件の謎を追いながら、事件の全てを操っていた犯人に近づきつつあった……


第18話の感想で示唆した陶芸作家の行方だが*1、冒頭で工房におとずれた冠城と工房夫婦のやりとりで言及された。つまり、陶芸作家がどこへ消えたのかという謎は事件の核心ではなかった。核心は、弟子夫婦の師匠に対する真意と、なぜ工房を移らずに陶芸を続けていたかにあった。これならば理解はできるのだが、ならば前回の時点で言及してほしかった気もする。
事件の背後で糸を引いていた犯人と、事件を生みだした限界集落の問題が浮かびあがる結末もまずまず。いったん陶芸作家をプロデューサーにすぎないと前回で印象づけ、作家としての側面が事件を生みだしたという真相の意外性が増した。ミステリやドラマとしての密度は1話で充分だと思うが、前回1話かけてミスディレクションされただけの意味はあった。