法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season17』第11話 密着特命係24時

警察を特集する予定のTV局のカメラが、弁護士の遺体発見現場で元警官をとらえていた。その元警官は犯罪者を銃殺した過去があり、そのため弁護士と争った因縁があった……


番組改編時期の警察賞賛バラエティ番組を題材として、大袈裟なナレーションとテロップをかぶせたPOVで描写した導入が面白い。杉下と冠城にオールバック刑事とワイルド刑事というあだなを勝手につけるあたりも笑えた。
警察嫌いの青木の台詞として、そういうバラエティ番組の賞賛が過剰ということも言及。実録バラエティ番組にもかかわっていた元構成作家の根本シンジによる脚本ということが味わい深い。


ただし物語の本筋は少し違っていて、女性を殺害していた男性を警官が銃殺した因縁。TV局のカメラはディテールの味付けと、いくつかの証拠を偶然に撮影するための小道具にとどまる。
飛び降り自殺したはずの弁護士の顔が赤く塗られていた謎はただの偶然でしかなかったが、過去の事件から現在の事件まで、捜査が進むにつれて違った様相をていしていくので、謎解きの楽しさはそれなりにある。
闇金に手を出すほど金に困っていたり、過去には無理な訴訟を起こして棄却されたりと、弁護士への偏見を強化するばかりの前半はどうかと思ったが、真相はびっくりするほど関係者がクズとバカしかいなくて、全体をとおしてみると逆にバランスがとれた感じになっていた。