今回は不思議な伝統行事のある村や、双子ばかり生まれる謎の村、住人の多くが昏睡状態におちいる村、等々が紹介された。
どれも文化や科学の側面から興味深いものだったが、ひとつ悩んだのは「眠りに支配された村」。ただ眠りにつくだけではなく、頭痛などの症状もある。
まず感染症などではないことは判明。次に近くにある核燃料の鉱山跡が疑われたところでCMに。すでにラドンガスによる昏睡説などは日本でも『NEWSWEEK』などが報じていた*1。しかし調査すると、たしかに鉱山跡の放射能は高かったものの、人体に即座の危険をあたえるほどではないとのこと。
しかして一酸化炭素中毒説が浮上し、症状が出た住人の血液を検査したところ、高濃度の一酸化炭素が検出。その出所として、鉱山跡の坑道で木材が腐食して一酸化炭素を発生させ、風に乗って村までとどいたという説がとなえられた。現在は住人は遠くはなれた地域へ移されて様子を見ているという。
放射能への忌避感を利用するかのようなCM演出が気にかかったし、それで原子力政策と無関係ともいえない結論にも悩まされた。これはドキュメンタリー作品として演出も伏線もよくできていたということではあるが……
ついでに、双子ばかり産まれるインドの村は、番組で紹介された範囲では機序も原因もはっきりせず。農薬による水質汚染が疑われ、実際に汚染された井戸もあったものの、村全体で双子が多く産まれる原因とは考えられないとのこと。
謎を解こうとして別の問題が掘りおこされていくというドキュメンタリーの構成も似ているだけに、現代でも機序がはっきりしない症状があらわれることが世界全体で見られるのだと強く印象づけられた。