法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ほんものクレヨン/かぜぶくろといんちき薬

今回は比較的に初期の原作からアニメ化。わりと忠実な内容で、作画も良かったのだが……


「ほんものクレヨン」は、のび太は本物そっくりの絵を描きたかったが、描いた絵が本物になる秘密道具しかなかった。そこで巧い絵を描くために絵描きを本物にしたのだが……
かなり初期の原作エピソードのアニメ化。秘密道具でつくったキャラクターが一人歩きして、のび太たちに反旗をひるがえすパターン。ながらく未収録だったことが示すように、かなりテイストが現在とは異なっている。絵面がシュールなのに空気感がのんきで、サスペンスというより不条理ものという印象がある。
オチは原作と少し違う。しかし唐突にスネ夫がまきこまれる原作よりも、絵描きと対立する構図がくずれないアニメのオチが、ストーリーとしてはすぐれているのではなかろうか。
映像面で面白かったのは、絵が本物になって飛び出しても、質感がクレヨンのままであること。これは原作どおりの演出なのだが、全カットの「本物」に描線から彩色までフィルターをかけて、ちゃんとクレヨン画っぽくしあげたことには感心した。
2015年11月20日(金曜日)「ほんものクレヨン」「かぜぶくろといんちき薬」|ドラえもん|テレビ朝日


「かぜぶくろといんちき薬」は、のび太がママの風邪を治してあげるが、ママ自身は休みたい気分だった。そこで治療につかった秘密道具を逆用することを思いつくが……
ここ最近に何度かあった、ふたつの原作エピソードを連続させたもの。ママとのび太、それぞれが自分が休むために病気を利用したがるという類似テーマだったため合体させたのだろう。
しかし、休ませる対象がママから自分に移っている時点で、ドラマとして合体させることには無理がある。ここは後半部分を原作「いんちき薬」から改変し、ママを仮病で休ませてあげようとさせて、ゴルフ練習から帰ってきたパパがオロオロするという展開にすれば良かったのでは。せっかく家事をしようとしていたのに、ママが回復したからと遊びにいった問題*1のフォローにもなったろう。