法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』秋の夜長の危機一髪SP

2時間SPだが、ほとんどのパートが雑多な事件や映像を紹介する内容で、全体として小粒な印象。
ミステリのネタにもなりそうな寄生生物をあつかう「体の中のモンスター」や、通学をとおして厳しい自然や紛争について見つめる「学校までの道のり」など、おもしろそうな内容なのに表層をなでただけで終わってしまった。それぞれの番組が複数の事件を紹介しているのだから、もっと尺を長くするか、番組内のひとつの事件をピックアップしてほしかった。


良かったのは、死体をつかってイギリス軍がナチスを騙した「ナチスを欺くウソみたいな奇策「ミンスミート作戦」」。だいたいの内容は雑学ネタとして知っていたが、偽装恋人の写真などは初めて見た。
さらにサスペンスとしてもおもしろく、人間関係もおもむきぶかい。中立国のスペインに死体を漂着させて情報を流出させようとしたらスペインが機密書類をそのまま返還しようとしたとか、そこをドイツのスパイが必死に書類をうばって機密書類の内容を信じてしまったとか、そのスパイは祖父がユダヤ人であったため無理にでも活躍する動機があったとか……短い時間で歴史の皮肉というものを感じた。