法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第8話 ぜったいムリ!?はるかのドレスづくり!

学園のパーティーに着るため、海藤のようにドレスを自作しようとした春野。それも海藤と違って刺繍だけで終わらず、デザインから縫製まで自分でやろうとする。
ドレスと勉学の両立を危ぶむ天ノ川だが、海藤は静かに見守るだけで、春野はやつれていく……


脚本は、過去シリーズに参加していた伊藤睦美が初登板。プリキュアとモデル業の両立はできないと天ノ川が考えていた第5話*1を、スペックの劣る主人公で反復する。いったん両立できないと判断した天ノ川だから、自分と違って主人公は両立できないと判断するのは自然。手伝わない海藤も、甘やかすのとは違う優しさがあらわれていて面白い。失敗しそうな布石から成功へと逆転するカタルシスも悪くない。
しかし第5話と同じく、両方を奮闘するだけという解決は、工夫がなくて残念だった。同じテーマを反復するにしても、もう少し期間をあければ印象が違ったろうに。
それに努力だけで両立できるという解決法は、もともと好きではない。どちらもやりたいことかつやるべきことだった第5話と違って、今回はやりたいこととやるべきことが別個だ。やりたいことなら両立すればいいが、やるべきとされているやりたくないことは、また違った解決法を目指すべきではないか。
今回は失敗することも人生の糧という展開にして、プロットレベルで第5話と差別化しても良かったのでは。たとえばドレス制作と勉学は両立できたものの、体調を悪くしてパーティー当日に欠席、天ノ川や海藤と3人だけでダンスパーティーを開く……といった展開なら面白かったかもしれない*2


映像は、全体として良かった。第3話と同じく田中孝行コンテに岩井隆央演出で、第5話と同じく赤田信人と上野ケンが作画監督。原画に爲我井克美まで。これまでのシリーズ作品にはないローテーションの短さに驚かされる。
アクションもボリュームがあり、プリキュアの個性も動きで表現できていた。のびやかなキュアトゥインクルにバレエらしい動きのキュアマーメイド、そして肉弾のキュアフローラ。第7話*3と逆にキュアフローラの参戦が遅れることで、ちゃんとプロットレベルの変化をつけていた。