法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒season13』第6話 ママ友

とある女性が行方不明になり、その犯人がママ友にいると主婦から訴えられた主人公。行方不明者には子供がいないが、ママ友の輪に入って子供たちにも優しかったという。
捜査をすすめる主人公が、次々に新事実を明らかにしていくと、ついに死体が現れた……


ごく平凡な主婦が、時系列にそって壁一面にママ友のバーベキュー写真をはる。そんな異常な絵面が冒頭から炸裂していて面白い。
物語は「ママ友」への嫌悪感にもとづいているが、半端に中立を装っていないから見やすかった。ポリティカルコレクトネスの観点から疑問があっても、ミステリらしく伏線をはって展開を転がし、あらゆる人間の秘密を暴いていくから、弱者だけ罪を背負わされるような後味の悪さがない。
行方不明とアリバイの関係はシンプルなトリックで予想どおり。しかし行方不明者の秘密は意外性があったし、それが犯人の秘密と奇妙なすれちがいを生んだ真相もブラックで面白い。小道具を手がかりにした最後のどんでん返しなど、なかなかの切れ味で、後味も悪くなかった。


残念なところとして、冒頭で主人公が捜査していた事件が、行方不明者の秘密と密接な関係があればミステリとしてベターだったかな。
あと、女性同士の近所づきあいで贈り物が重要な小道具になるエピソードは、以前の『相棒』にもあったような……検索して思い出したが、season4第15話「殺人セレブ」か。