前半がアニメオリジナルで、後半が原作者生前の単行本未収録。
「空き地のイルカ」は、秘密道具で地上に迷いこんできたイルカと友達になる物語。「空き地のジョーズ」のビジュアルイメージを、短編版の「のび太の恐竜」プロットへ落とし込んだといったところ。
動物と仲良くなり、やがて別離するという古典的なプロットを、きちんと映像化したのでそれなりに楽しめた。イルカが地面を水面のように飛び跳ねるが、のび太はもちろん地中に潜れないので、乗るために一工夫が必要な描写が特に良い。
あと、イルカが空き地にいることに驚いて、ついダジャレをいってしまって赤面するママがかわいかったり。
「タイムピストルで“じゃま物”は消せ」は、3秒や3分や30分といった一定時間、撃った対象を未来に跳躍させる秘密道具が登場。宿題に飽きたのび太を脅迫するために持ち出したが……
基本的には、先送りした問題によって時空を超えてしっぺ返しされるというプロット。とはいえ、撃った場所に戻らなければしっぺ返しされることはないので、ちょっと脚本の都合が見えすいている。
面白かったのは、あえて自分に撃って3秒だけ消えることで、ジャイアンとスネ夫の攻撃をかわす戦法。もうちょっと演出に緊迫感があれば、なお良かった。
