法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キャプテンハーロック』が外国アニメーション映画最優秀賞を獲得したとのこと

賞をおくった団体も、その評価の妥当性もよく知らないが、どうやら映像面での評価らしい。
「キャプテンハーロック」国際3D協会で外国アニメーション映画最優秀賞 フランス興収8億円突破 | アニメ!アニメ!

1月29日に、国際3D協会(The International 3D & Advanced Imaging Society)がロサンゼルスのワーナー・ブラザース・スタジオで開催した第5回国際3D協会 3D CREATIVE ARTS AWARDS授賞式で、『キャプテンハーロック』が外国アニメーション映画最優秀賞を受賞した。
国際3D協会は3D(立体視)の業界団体で、3Dのプロフェッショナルが集まる。ワールドワイドな専門家が『キャプテンハーロック』の映像を高く評価したかたちだ。

映画宣伝番組や特報の印象からすると3DCGそのもののクオリティは高くなかったが、立体視で観ると楽しめるコンテだったりしたのだろうか。
とりあえず3分間の長編予告をはっておくが、雄大な風景は悪くないと思いつつ、かなりキャラクターが厳しい。地球人は目をつぶれるが、非地球人が生命感に欠けているのがつらい。

もちろん外国枠で受賞しただけなので、立体視映画が日米の他でほとんど制作されていないだけなのかもしれない。実写とアニメでは『ゼロ・グラビティ』と『アナと雪の女王』がそれぞれ最優秀賞をとったとのこと。


ただ日本では全くふるわなかった『キャプテンハーロック』が意外と外国で健闘しているのはたしからしい。*1

『キャプテンハーロック』はヨローロッパでも活躍している。フランスとイタリアで引き続き、好調な興行を続けている。フランスでは12月25日に237のスクリーンで公開、初日の動員数はフランスで公開された日本映画では歴代1位のオープニング記録となった。1月31日まで速報値で、興行成績は約8.4億円、動員数70万人を超えた。
イタリアでは1月1日に260スクリーン規模で公開、こちらも速報値で興収約7億円、動員数も61万人を超えている。同国の日本映画歴代第1位となる。

もともと『ハーロック』は過去のTVアニメ版が欧州で人気だったとは聞いているが、広く劇場公開して数億円レベルの興行成績をきっちりあげているのは凄い。
自由のために戦う海賊と、それに対する疑念と葛藤というテーマが受けたのか。それとも3DCG作品に対する観客の親和性が日本より高いということなのか。


ただ少なくとも、無国籍な世界観で制作したことで、外国でも拒否感が少なく受け入れられただろうとは感じる。『キャプテンハーロック』では過去のOVAにおいて、特定民族の差別につながりかねない表現があったため、原作者が完成した映像をつくりなおさせたこともあった。
『GOD』はダメで『GODS』ならオーケー!? 国外での表現のタブーに迫る!【CEDEC 2013】 - ファミ通.com

アニメでもしばしば問題が起きている。2002年に制作された『キャプテンハーロック』では、地球を攻撃する兵器の一部にユダヤ教の“ダビデ”の星が描かれており、それに気付いた原作者の松本零士が制作をストップさせたという。当時、松本氏は「血の凍る思いがした」と語っていたんだとか。

差別主義と距離をとるということは、広い観客層へとどけたいなら必要なこと。もちろん社会への問題意識を真摯に物語へとけこませれば、世界観に広がりが生まれることもあるだろう。しかし自分や身近な人間を差別するような作品を、観客が好むとは思いにくい。

*1:「ヨローロッパ」は原文ママ