中国網日本語版に、日本メディアでの発言を要約する形式の記事が書かれていた。一部で話題になっているらしい。
安倍夫人が夫の欠点を暴露 「ごめんなさい」を聞いたことがない_中国網_日本語
日本メディアの9日の報道によると、日本の著名な女性作家の曽野綾子と安倍晋三首相夫人である昭恵夫人が対談。その際、昭恵夫人の口から夫の欠点がこぼれ出た。
昭恵夫人によると、安倍首相は謝ることがなく、本人の口からこれまで一度も「ごめんなさい」を聞いたことがないという。夫婦喧嘩も多く、昭恵夫人が韓国や中国のことを話し始めると、必ず批判される。喧嘩の後は、双方口を開かない。
また、安倍首相は最近ストレスが非常に大きく、夜は寝付けないことが多く、就寝前はブランデーを一杯飲むという。
昭恵夫人は公の場で夫とバトルすることが多い。昭恵夫人は原発政策や日本のTPP加盟、消費増税など分野で夫の政策に反対しており、安倍首相はそんな昭恵夫人を「家庭内野党」と呼んでいる。
ゴシップ調に家庭内の不和と政治能力を重ねあわせた三面記事、といったところか。
一部をつまんで多重翻訳された記事よりは、元となった記事に基づいて論評するべきだろう。そこで対談している人名で検索してみると、あっさり新春対談の産経記事が見つかった。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140105/trd14010511300003-n1.htm
−−新年早々ではありますが、安倍晋三首相と昭恵さんの夫婦関係はどうなのか、聞きたいですね
安倍 そこからですか…(笑)。
曽野 当分、離婚しそうにはないでしょう(笑)。
安倍 でも、最近は「夫婦仲が悪いんじゃないか」と言われていて…。
曽野 けんかをしても晋三先生の方がさっさと謝られるのでは? 性格的に。
安倍 そういえば、謝らない! 「ごめんなさい」というのを聞いたことがないです。
曽野 では、昭恵さんがいつも譲るの? うちの夫(作家の三浦朱門さん)はいつも「悪かった」と言うけれど、口先だけというのが見え見えのように謝りますからね(笑)。やっぱりね、晋三先生の方が誠実よ。
安倍 口先だけではねえ…(笑)。どちらがいいんでしょうか。
曽野 じゃあ、どうやってけんかをお収めになるの?
安倍 なんとなくで。いつの間にかお互いが忘れてしまうという感じです。
曽野 夫婦の間というのは、うやむやにするのが一番でしょうね…。国と国との間もそうなのかも。うやむやにできない国が周りに多くて困りましたね。感情的になって、いいことはありません。
安倍 私の場合は、韓国や中国の話になると批判されることが多くて…。
曽野 日本との友好のためにやっていらっしゃる範囲なら、いいんじゃないの?
あくまで対談の冒頭で、産経側から家庭の話題をふられたにすぎない。2人の見解や体験談としては、以降のページにこそ興味深い記述が多かった。
もちろん、良き家庭人であるからといって良き政治家であるとは限らないし、悪い家庭人であるからといって悪い政治家であるとは限らない。一般論として、政治家としての評価とは独立して、良き家庭人であることを目指そうではないか、というくらいの感想をもった。
しかし、安倍昭恵Facebookに韓国文化と交流した記事があがるたびに、さまざまな誹謗中傷がなされる現状もある。
はてなブックマーク - 韓国のミュージカル「カフェイン」を観ました。 - 安倍昭恵さんのFacebook
つまり、家庭内にとどまる話にすぎないと切り捨てるのも、いささかあやういかもしれない。安倍首相夫妻それぞれの気持ちはともかく、中国網記事がどのように読者に受け止められるかということは注意しても良さそうだ。