法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドキドキ!プリキュア』第35話 いやいやアイちゃん!歯みがき大作戦!

異世界の住人ゆえ、歯磨き粉のCMに出ているようなアイドルが虫歯になるというシチュエーションが面白い。異世界には虫歯菌が存在しないのか、それとも文化的に自覚していないのか、そうしたSF的考証も楽しめる。
そこへ乳児に歯が生えるエピソードがからむ展開も悪くはない。ただ、やや詰め込みすぎで見どころが分散してしまった。育児のエピソードを描きたいなら、もっと腰をすえてシリーズ通して描くか、一話完結なら育児描写のみに注力してほしい。身近な題材だけに、中途半端な情報を伝えるのは危なっかしく感じる。
幼児の全能感を成長に必要な過程のワガママと表現したのも、作品テーマと関係ありそうで興味深かったが、最終的に全能感は全否定されるべきといいたげな表現にモヤモヤした気分になった。


そして虫歯をめぐる本筋だが、ここ最近に歯科医へ通っているという個人的な事情のせいで、あまりにも他人事でなさすぎて、素直な感想が書きにくい。
ただ、今時の歯科医は麻酔技術があがっており、平均として痛みそのものは感じにくくなっているはず。歯科医が痛いという先入観を幼い視聴者へ植えつけること自体、ちょっと問題だと思った。すでに歯科医を嫌がっている子供に向けたメッセージかもしれないが、だとしても必要以上に怖がらせる必要はない。
それと医者らしい自己中を描く時、ただ患者が増えることを客商売として喜ぶというのは、あまりにリアリティが感じられない。ひとりひとりの患者へ向きあわず、流れ作業で適当な診療をするような医者を自己中として描くべきじゃないかと。