法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第3話 ごきげん?ナナメ?おでかけはぐたん!

はぐたんが泣きやまない原因は、オムツでもミルクでもなかった。そこでハリーのとりだしたミライパッドの地図を手がかりに、はぐたんを泣きやませる場所へ行こうとするが……


村山功脚本に、角銅博之コンテ。新アイテムの登場と、いずれ新プリキュアになる輝木と日常でからむエピソード。しかし、普通なら中盤の折り返しか終盤の決戦でしかおがめないような超巨大バトルが展開された。
育児というテーマについては、育児を攻撃する中年男性を描いて、きちんと作中で批判したあたりは良かった。怪物化もその中年男性が利用され、プリキュアとの戦いで浄化することで、アクション要素にも必然的につながる。
はぐたんの望むものは実は特定の場所ではなく、育児経験のある母親を求めていたという真相も悪くない。求めている母親が地図に表示されるというミライパッドの機能が、結末で多くを説明せずに新たなプリキュアの存在を示唆する。
そうして母親を賞揚しながら、青年姿のハリーだけが親と紹介されても誰ひとり嫌悪せず、応援する態度を崩さなかったことも好ましい。結末で母親だけでなく父親も育児への協力を申し出たことも、恐れていたより慎重で良かった。母親を見ていて野乃がなりたいと語るのも、「母親」ではなく「大人」だった。


ただ、母親の経験のひとつが、心臓の音を聞かせてやることだったのは、たしかに聞いたことはあるが、やや事実関係がはっきりしなくて不安。今さらながら、医学や育児の監修がスタッフにクレジットされていないことが気になってきた。かといってメディアと距離が近い医者が必ずしも慎重かというと、それはそれで疑問なので悩ましい。
あと、タブレットのようなガジェットに目を輝かせて、喜んでいじる薬師寺も、あいかわらず危なっかしい。もちろん子供から情報を遮断すればいいとは思わないし、大人だって情報によくまどわされることは変わらないが、だからこそリテラシーの重要さを学ぶエピソードが早めにほしいところ。