法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第12話 その果てにあるもの

片山一良コンテ。まるで2000年前後に元気があったアニメスタッフの同窓会作品になっている。手堅く安心できて、なおかつ演出が古臭くもなくて良いのだが。
映像面では、キャラクターの肉感に作画リソースをそそいでいたところと、ドメル中将を歓迎する市民を3DCGキャラで描いていたところが目をひいた。


物語は繋ぎ話。膨張主義に懸念をおぼえる将校を軸にして、ガミラス帝国の内情をほりさげる。その一方でヤマト艦内では、ガミラス人と接触したことにはじまる衝突の、後始末がおこなわれる。
気楽な人間模様を描きながら、今後の問題を予感させる描写をはしばしにいれて、山場を前にした息抜きとしてはそつがない。


ただ、人工重力のある世界観なので、宇宙空間らしい描写が波動砲の清掃作業くらいしかなかった。もともとが太平洋戦争を宇宙戦争に置きかえた古いTVアニメで、それをできるかぎり忠実にリブートした作品だから、SFらしい珍しげな映像を作ることが根本的に難しい。目を引いたのは、ホットラインの相手と同一構図におさまる絵面くらいか。