法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「必要」と「限界」の違い

はてなブックマーク - 「必要悪」という言葉はしばしば犠牲を強要する口実となる - 法華狼の日記

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「必要悪」を「現状(当時)における限界」と言い換えると、表現がソフトで反発を買わなくなる、というのは参考になる重要な知恵。 ただの用語の言い換え?・・・うん、おそらくそうだと思う。 2013/01/15

意図としては、二つほど違いがあると考えていた。
まず一つ目、「必要」という言葉ではなく「限界」という言葉を用いるようにすれば、能力の問題という含意が生まれる。それが、「必要悪」なことをした存在ではない、オルタナティブな存在を選択できる可能性を生む。たとえば、“米国社会の維持に奴隷が必要”ではなく、“奴隷がいる米国社会の限界”と表現すれば、ニュアンスが変わってくる。
次に二つ目、「必要」という言葉は合目的な意味を持つが、「限界」という言葉は合目的とは限らない。「必要」であれば誰が同じ状況になっても目的は変えられないが、「限界」ということは目的そのものに問題がある可能性をふくむ。たとえば、“雨が降っても傘をささずに濡れながら踊ってもいい”という選択肢の存在によって、傘を高く売りつけようとする悪徳商人を排除することができる。
ニュアンスの違いであって、わかりやすく変わるわけではないが。