法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

途中から情報を正しく見ることと関係ない……

原発関連の情報を正しく見るには
情報の正しさと関係があるのは「大学教授の分野と発言内容を比較する」くらいまで。
三番目の「違う物事の主張まで組み入れる人は一切無視する」からして、結論で「なぜなら、それを参考にしたり拡散したりした時点で、貴方も同類に見られてしまうのだから」と書き、情報の有用性ではなく対外的な視線を重視している。以降も「法に触れることを良しとする人は一切無視する」で「無視せずに拡散・支持してしまうことは、自分たちも同類扱いされる結果を招いてしまう」と結論づけ、どちらかといえば主張の影響を重視している。それも主張の妥当性とは別の、属性で判断される領域の話にすぎない。


情報の正しさという基準からでも疑問点が多々ある。
たとえば、「大学教授の分野と発言内容を比較する」という一つの基準としては相応に妥当性がある見出しにおいて、工学部出身で原子力にもかかわっていた武田邦彦教授を批判しようとして、原発関連で信用できる専門分野をたった二つにまで絞ってしまった。

原発関連で信用できる大学教授の分野は、医学と経済学(但し、後述の通り一部の発言に限る)である。

医学でなければ、放射能の人体に与える影響について論理的に理解できるものは少ないであろう。

原子力発電は広い社会問題をふくんでおり、たった二つの専門分野だけで判断できるものではない。
専門分野を絞っているわりに、専門分野内の幅を考慮していないことも困る。医学を専門に学んでいるからといって、放射線が人体に与える影響の知見を必ず持っているとは限らない。
そして専門分野が重なっていることと、主張に妥当性があることが同一ではないことにも注意が必要だ。武田教授の場合、どちらかといえば原子力への深い知見を期待される立場であるところが、問題点が強く批判される一因だろう。