今回も前後半ともに原作あり。物語も原作の流れを踏襲し、アニメオリジナル部分も違和感ない。
今井一暁演出で、絵柄の個性を活かしたまま良く動く作画も素晴らしかった。
Aパートは幽霊になる秘密道具を使って復讐しようとするが、怖がらせることに失敗し、単なる嫌がらせに路線変更する。
原作通りにクレバーな内容で、ホラー性の欠片もない展開が逆に気持ちいい。原作で本当に怖いホラーな話は初期に集中しているので、どちらかといえば今回がより平均的な『ドラえもん』らしいな、と思う。
しかし、本気で恐怖演出にこだわったアニメ化も見てみたい。「ミュンヒハウゼン城へようこそ」は渡辺歩コンテ演出回ながら、CMで刻みまくった上に、途中から完全にスラップスティックコメディになっていたし。
Bパートはコンテも今井一暁。失神したスネ夫の口から魂が抜ける描写は、Aパートと繋がっているのかもしれないな。一人の演出家が両方を担当したからこその遊びかも。
郵便物を走って追いかけるシークエンスを足して、アクションの見せ場も作っていた。