その場合、社会問題に言及していないと思っている作品にも、同様の批判がなされることを受け入れなければならない。
たとえば、男性視聴者の性欲を肯定するアニメに対して、ジェンダー規範を追認しているといった批判がされた場合、「虚構と現実は違う」といった言葉だけで反論すればダブルスタンダードになる。
何より、日本社会とそれをとりまく問題の一面を切り取った描写に対して、「反日」と呼ぶにいたっては、馬鹿馬鹿しいといわざるをえない。
たとえば2ちゃんねるまとめブログに話題が取り上げられた『エウレカセブンAO』は、日本のスタッフが制作しているアニメだ。日本社会批判が見られるならばそれは一種の自己批判であって、原理的にも「反日」とは言いがたいだろう。
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52539202.html
ただし「批判殺到」とタイトルにはあるが、風刺性を高評価している書き込みも引用されてはいる。ざっと見たところ賛否両論といった感じか。
どちらかというと、このタイトルそのものと、タイトルに乗せられた反応の方がまずいかもしれない。
http://ceron.jp/url/blog.livedoor.jp/insidears/archives/52539202.html
はてなブックマーク - 期待の新アニメ「エウレカセブンAO」の政治色が強い世界観設定に一部の視聴者が困惑して批判殺到。「左翼思想、反日アニメ」との強烈な声も:ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
とりあえず、この作品に限らず、會川昇脚本に注目してはどうだろうか。會川作品は昔から様々な社会問題を作中に取り入れている。
最近でも、時事問題に関連して下記のようなツイートを発していた。
風刺性と娯楽性が緊密に結びついて成功していると感じる時も*1、うまく題材としてあつかえていないと感じる時もあったが、日本のアニメに幅広さを生み出した一人だ。題材がうまく昇華できていなければ批判すればいいが、こころみ自体を否定することは日本のアニメから豊穣さを失わせようとすることだと自覚してほしい。
ちなみに、尖閣諸島を所有している人の情報に面白いものもあった。
おおう……