法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スマイルプリキュア!』第9話 うそ〜!やよいちゃんが転校!?

「はい死んだー。キュアピースキュアハッピーに惚れ死んだー」


上野ケン作画監督による美麗なキャラクター作画が楽しめた。もともとデザインが濃厚なため、瞳のハイライトが少し普段より多いくらいだが、強弱のついた描線といった特徴もいい意味で出ている。
芝田浩樹による演出も悪くない。下駄箱あたりの空間の狭さを、俯瞰を使って誤魔化さずに描き、その見通しの悪さを表現できているために、気づくとキュアハッピーがいないことの説得力を映像的に高めていた。心の声をちょっとデフォルメした姿もかわいいし、イラストで謝る姿がEDと同じプリキュア姿というあざとさも実にキャラクターの特徴をとらえている。


誤解が雪だるま式にふくれあがっていく展開は、しばしばプリキュアがおせっかいになることへの自己批判描写のようでもあるが、そこまで踏み込まずに残念。
どちらかといえば、今回にキュアハッピーが笑顔で受け入れたことで、これまで戦いと心理的に距離があったキュアピースが真にプリキュアになれた、というところ。だからシリーズ構成が脚本を手がけたということか。
あと、敵がイラストを奪ったのではなく、拾ったイラストで真実を知って伝えたため結果的に軟着陸できたあたり、あまり敵に悪印象を与えたくないだろうこともうかがえる。やはりバッドエンドもひとつの結末として受け止める最終回になるだろうか。


しかし面白かったが、エイプリルフールの日に授業があるというのは無茶しているなあ、と。春休みを挟んでいるから、学校ではもっと大きなイベントがあるわけだし。『ドラえもん』のような作品ならともかく、物語が連続していると現実世界との齟齬が少し気になる。
作中日時と放映日時が合っているからこその楽しさだし、それゆえ注意喚起としても役立つこともわかるが。