法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法少女まどか☆マギカ』がジャーゴンを使っていないという主張の追記

『魔法少女まどか☆マギカ』が日本SF大賞にノミネートされたことについて - 法華狼の日記の補足として、はてなブックマークへ返答。


はてなブックマーク - 『魔法少女まどか☆マギカ』が日本SF大賞にノミネートされたことについて - 法華狼の日記

id:angmar
あれあれ、いつの間にかまどマギは「魔法少女という文法の延長線上に語られたもの」から「お約束なし!完全オリジナルのストイック文法!」になっちゃったのかなあ。 2011/11/07

id:rag_en アニメ
SF云々の話は知らんが、首チョンパ魔法少女バトル・時間停止能力と、『邪道の王道』を突っ走ったまど☆マギをして、“お約束をあまり入れていない”とか…。 2011/11/07

あくまで台詞のような作中描写において、わかりにくい言葉づかいをしていなかった、ということを主張したかった。末尾で「お約束をあまり入れていない」と書いたのも、明示していないという意図。
物語の流れは「魔法少女」に限らず、複数ジャンルへの自己言及な側面がある。しかし、個々のジャンルにおけるジャーゴンで状況を説明することはなかった。例外は「魔法少女」くらい。たとえばSF展開でも、「宇宙人」や「エントロピー」という単語は登場しても、「SF」や「タイムリープ」といったジャンル外に普及したジャーゴンすら作中では使われていなかったはず。
逆にいうと、複数のジャンルをよりあわせたような作品だからこそ、ジャーゴンの使用を抑えなければ少なくない視聴者が振り落とされてしまったかもしれない。

id:sasahira アニメ
「アニメについてくわしくない視聴者でもついていける言葉づかい」ジャーゴンとパロディだらけの化物語が同等のヒットを飛ばしたわけだけれど、あれは一般層に受けてなかったのかな。 2011/11/07

化物語』については本当によくわからない。全体的に楽しめたものの、ジャーゴンが理解できそうな層ほど反発しそうな描写が多いとも感じた。
過去の西尾作品は読んでいたし、新房監督作品のインターネット上の受容状況もだいたい把握していたつもりだったが、あのタイミングで大ヒットを飛ばすのは意外すぎて理解できなかった。後づけで理屈をつけることはできなくないが、自分自身が納得できる理屈は見つけられないでいる。
ただ、ざっと当時の感想サイト界隈を見ていた印象でいうと、既存のアニメファン層とは異なる層が開拓されていたのでは、という気はしている。