法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

東アジア連携イベントのポスターで日の丸が欠けていたと抗議され、国士舘大学の学部祭が全面中止になった件

よりによって国士舘大学か、という思いはぬぐえない。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111030/edc11103001200000-n1.htm

 国士舘大学(東京都)の21世紀アジア学部が企画した学部祭「Asia21」の告知ポスターとチラシに、国旗の一部が欠けた図柄が使われていたことが学内で問題となり、29日に予定していた学部祭が取りやめになったことが分かった。

 問題の図柄は、大学の発注で外部のデザイナーが制作。日中韓の各国旗を使い3カ国の関係をジグソーパズルで表現しているが、日章旗の一部のピースが外れて飛び出し「日の丸」が欠けていた。

 学部祭は「東アジアの連携を求めて」をテーマに、同学部の教員らが企画。ポスターとチラシは計約2千枚が印刷され、10月上旬から学内や小田急線の電車内、沿線の駅などに張り出された。

しかし開催中止にいたった指摘を読むと、やっぱり国士舘大学だ、という思いもぬぐえない。

 学内でチラシを見た同大学の男子学生(20)が「国旗の冒涜(ぼうとく)に当たるのではないか」と、質問状を提出した。学生は、学部祭のメーンイベントであるシンポジウムが、中韓有識者のみを招いた対談となっており、日本人有識者の出席予定がないことも指摘。「日本の立場を説明できる識者が登壇しないのでは議論にバランスが取れないのではないか」と訴えた。

会場が日本で、当然のように聞き手も日本人が優位に多いだろう。「東アジアの連携を求めて」というテーマで、国外の意見を優先的に聞くことが、間違っているとも思えない。国内有識者を呼ぶことも自由にすればいいと思うが、限られた時間なのだから普段は聞けない意見を優先するという選択も自由だろう。
それとも国士舘大学の学生は、一度のシンポジウムで国外の有識者の意見を聞いただけで全て鵜呑みにするのだろうか。基本的に国内の意見を学び吸収してきた過去を忘れ去るような、フロッピーディスク以下の記憶力しか持っていないのだろうか。仮にも大学生なのだから、中間の有識者の主張を聞いて、理解し、打ち返すような主体性を持つべきではないのか。


この珍事をこういう記事にした時点で産経新聞はすごいが、末尾で百地章教授へコメントを求める旗幟鮮明ぶりもすさまじい。旗の話題だけに。

 日本大の百地章教授(憲法学)は「国民の国旗に対する意識の表れが法制度にも出ている。今回は国旗そのものを傷つけたわけではないが、自国、他国を問わず尊重するのが国際常識で、不適切に扱う風潮を防ぐため、国旗損壊に対する刑法を整えるべきだ」と指摘している。

しかも1ページ目にある2ページ目へのリンクを「日の丸「格下」扱いをこれ以上放置するな!!」という文章にはっている。このアジりぶりが味わい深い。


ちなみに拡大画像を見た限りでは、かなり気配りされていると感じた。日章旗が最も上にあり、欠けたピースで太極旗が隠され、五星紅旗が最も下。その上で、日章旗を欠けさせている。
http://sankei.jp.msn.com/life/photos/111030/edc11103001200000-p1.htm

ジグソーパズルは周囲からピースを組み合わせていく遊びであって、欠けさせていく遊びではない。中心部分のピースは外れているのではなく、今回のシンポジウムではめこむという文脈で解釈するべきだろう。
そもそも、デザインで欠けさせる対象に自国旗を選ぶのは、ホスト国として自然な態度と思える。招待客にはりあう主人がいるだろうか。