NEXT差別主義者がヒーロー相手にデスゲームをしかける描写は単体なら良いが、NEXT至上主義者で自身もNEXTなマーヴェリックの協力者がそうであることに納得がいかない。マーヴェリック自身もヒーローショーからNEXTを排斥する計画を口走る。キャラクターが根底に持っていた思想に反する行動を描くなら、その過程を納得できるように見せなければ。
もし、マーヴェリックが自身のかつて目指した理想と現状の乖離に言及する独白でもあれば、悪玉なりの葛藤として見所に転じたかもしれない。あるいは、NEXT至上主義はヒーローショーを盛り上げるための自分自身をも騙す口実にすぎなかった、という指摘が作中にあれば……
アクション物としては良かったと思うし、ベンの登場が空回りのようでいて視聴者への解説をになっていたことは好感が持てたが、なにぶんにも御都合主義な盛り上げが鼻についた。
NEXT差別主義者がNEXTに協力する描写は、あるいはNEXT能力で洗脳された結果なのかもしれないし、面白い真相があるという期待は残したいが、その場合は作中人物が不審がるような描写も入れておくべき。引っかかりある出来事を描写することと、引っかかる脚本は違う。
