一昨年にアニメオリジナルストーリーで「友だちになってチョンマゲ」という回があった。
http://wws.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/topics/backnumber/0162/top.html
つばさちゃんと知り合いになりたいのび太のためにドラえもんが出したのは、『七人の知り合い』というユニークな道具。
のび太は無事つばさちゃんと知り合いになることはできるのかな?
『ドラえもん』正義の味方セルフ仮面/いそうろうジャイアン/友だちになってチョンマゲ - 法華狼の日記
知人の知人をたぐっていって、有名人にたのみを聞いてもらう秘密道具というアイデアが素晴らしい。知人の知人を経れば、7人ほどで世界中の誰とでも繋がりを持てるという、一種の数学的比喩表現*3を率直に映像化する。藤子F作品らしい科学的思考のプリミティブな興奮にあふれており、意外な接点が存在する人間関係の面白さもあり、様々な舞台を移動する映像的な楽しみもある。現実では、知人の知人の知人……という遠さでたのみを聞いてもらえるはずはないが、それをクリアするのが秘密道具というガジェットだ。
この思考には「6次の隔たり」や「ケビン・ベーコン数」という名前がつけられている。はてなキーワードから引いておこう。
6次の隔たりとは - はてなキーワード
アメリカの社会学者Dr.Stanley(スタンレー・ミルグラム博士)が40年ほど前*1に行った実験で、全米から無作為に人を抽出して、その人たちに封書を手渡す。封書には第三者の名前と職業もしくはおおまかな場所だけが記されていて、人づてにその人に手紙を届けろという指令が書かれている。
この実験が行われた結果、到達した場合、平均6人の知人を介して届いたという。(到達率約3割)
*1:1967年。1964という記述もある。なおこの実験の厳密な意味での追試(再実験)は成功していないので、本当に学術的な意味があるのかどうかを疑問視する声もある
ケビン・ベーコンと共演したことがある人を「ケビン・ベーコン数1」とし、
ケビン・ベーコン数1の人と共演したことがある人を「ケビン・ベーコン数2」とし、
ケビン・ベーコン数2の人と共演したことがある人を「ケビン・ベーコン数3」とし…と数えていく数。
ほとんどのハリウッド俳優のケビン・ベーコン数は、3から4におさまってしまうらしい。
とりあえず、犯罪者の子は犯罪者としてあつかわれる美しい国 - 法華狼の日記で言及した、友達の友達はアルカイダな人間を犯罪者あつかいしたがるような人は、ドラえもんアニメスタッフの爪の垢を煎じて飲むといいよ。