法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ダンタリアンの書架』第1話 仕掛け絵本

爆煙が身体にねばりつき、絵の具がはらはらと崩れる。すこぶるエフェクト作画が良いと思った末に、典型的な吉成爆発。フォロワーにしてもアニメーターは吉成の影響を受けすぎではないかと思ってEDを見ていたら、吉成耀本人が原画にいた。そもそもGAINAX制作と知らなかった。
コンテ演出はむらた雅彦で、制作会社と合わせて『屍姫』スタッフといったところか。暗い世界に照り返しと差し込む光だけが輝き、雰囲気ある穏やかな時がすぎたと思えば、屋内に現れた怪物との激しい戦いが始まる。
物語としては、口の悪い少女と青年の、近代欧州を舞台とした怪異物。前期の『GOSICK -ゴシック-』や今期の『異国迷路のクロワーゼ』と重なる内容だが、刺激ある見せ場も適度な歪さもあって、見ていて最も頭を使わず楽しめたかな。実写映像のEDも悪くない。


あと、少女の肉体を器物に見立てて、主人公がそこに手を差し入れることで敵を打ち払う力を得る描写に『少女革命ウテナ』を思い出した。原作小説の描写がどうかは未読なため知らないが、少なくとも監督は影響下にあるらしい。