Aパートはアニメオリジナル……と思っていたが、コメント欄で指摘をいただいたように原作があった。原作者生前に単行本未収録だった作品。意図せずに秘密道具の効果を一般人に持たせてしまい、騒動が引き起こされるというパターン。特にママは周囲の状況を気にしないから、効果に気づいてとまどうパパと違って被害が大きくなる。
ウルトラリングの能力はつけた人間の身体能力を強化するだけというシンプルさだが、その強化ぶりはドラえもんを突き飛ばして人工衛星にさせるほど*1。電柱が倒れる場面など、“もし意識せず超人となった人が住宅街にいたら”というIFのストーリーとしてまずまずまとまっていた。
ただ、ルビーの指輪を空き地へ忘れたことがウルトラリングをママに渡す展開に繋がっているのだから、冒頭で皆と遊んでいる場面に前振りは入れておくべき。
Bパートは基本的に原作通り。死ねという脅迫電話の台詞が、どこかへ行けという穏和なものに変更されたくらい。
冷静に考えると、わざわざスカートを手渡ししなくてもその場で電話機越しに返せばいいようなもの。しかし作中人物が冷静でないことは明らかだし、物語の流れによどみがないので不自然さはない。
ところで、わざわざ電話機にアダプタをつけて荷物のやりとりをしなくても、どこでもドアを使えばいいと思う人も多いだろう。しかし小学館から出ている秘密道具設定によると、どこでもドアにはプライベートな空間へ他のどこでもドアで入れないよう制約する機能がある。電話を経路にすることで、相手と荷物のやりとりを行える許可を同時にもらうという合理性はある。
「夏休み限定!ドラえもん クレヨンしんちゃん アニメ祭り」として、パート終了ごとにドラえもんとしんのすけがクイズを出す趣向もあった。
しかし昨年と違って物語本編に絵で手がかりを入れるような遊びはなし。それに昨年はアニメ祭り中の『クレヨンしんちゃん』は良い出来のものが多かったが、今週は今一つかな。