法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ ブレイヴ』第38話 さらばバローネ! 決別のブレイヴアタック

魔族社会が混乱しているため、指導者として求められたバローネは、人間との協力関係を断つことを決める。政争で有力者がことごとく消えたため、ここに来てバローネが浮上してくる展開は自然。追放されていたことで逆に大きく失墜することなく、放浪する最中にバローネ自身も政治へ興味を示していっていたから、満を持してといった感がある。
暗躍していたザジが、今回は政争の中心から姿を消しているところも地味に面白い。手駒を使い捨てにしすぎたか、それとも混乱をさけて雌伏しているのか。


もう一人の決別者が出た結末は意外だったが、思えば活躍する場所のなさを悩み続けていたし、ED映像からも予感すべきことだったか。
あまり恋愛問題に感じられないところも面白かった。この作品は、主人公ダンが未来世界へ来た動機からしてそうだったように、居場所のなさに悩む少年少女の物語という要素が強い。もともと少年向けアニメに恋愛描写は多くないものだが、この作品は特に少ないのだ。せいぜいカードキャラクターへの愛を語る少年と、前回に師弟関係となった運命の男女だけ。
前期では婚期を意識する大人の女性も活躍していたし、兄妹間の恋愛感情が衝撃的だっただけに、今期の決別は驚くほど淡白に感じた。決別したといっても対立したわけではない、という部分も大きい。


カードバトルは、ひさしぶりのライバル対決。しかし政治劇に押されて、結果は見えすいてしまっているという。ダンはバローネから真意をぶつけられる一方なので、敗北も正面から受け止める。あまりライバル対決らしくはなく、どちらかというと儀礼のような印象だった。
怪獣的なバトルには迫力があったし、序盤に配置したネクサスカードで決着がついたこともバローネが大局を見る器を持ったことを象徴していて、儀礼と見ればよくできた内容ではあったのだが。