最初に、私自身の発言をこえた責任を私がとることはできない。ある批判をした者が、他の者による批判の責任まで負うべきではないと思う。
ただし先のエントリで書いたように、批判に対して黙殺する自由もあると考える*1。たとえ正当な批判であっても、反論や訂正に応じないことで自らの価値が下がることを覚悟して黙殺する自由が、やはりあるだろう。黙殺されても私自身は文句をいわなかっただろう。最初のエントリでも、ことさら追及するつもりはないと念のため書いたくらいだ。
もちろん、どのような主張をしようとも、望まぬ情報を流布され、生活に実害をくわえられるようなことは、言論によって負うべき責任の範疇を超えている。この考えも明言しておく。
何より、「南京大虐殺」の言葉だけで、負うべき責任をこえた精神的な負担を呼びさますのであれば、私の意図するところではなかった。もしそうと知っていれば、最初から全く単語も言及しなかったと思う。
しかし、kyoumoe氏＝[twitter:@jizou]氏が下記のようなツイートをしていた。公開しているツイートなので、言及し反論してもいいと判断する。
ただ、kyoumoe氏の精神を考慮し、続きを読む方式で格納しておく。
「デマを指摘するのはいいが君は南京大虐殺の時にこんな事言ってたよね」といった指摘に該当するのは、直近では私のエントリくらいだろう。このさい、感情的に行ったと思える表現については、特段の事情と思って目をつぶる*2。
しかしエントリタイトルだけを読んでエントリ本文をよく読んでいないのではないかと思った。間違いではないが、かなり話を矮小化している。私が書いた当該エントリから、問題点を指摘した範囲を引用する。
「南京大虐殺に触れることは赤に群がられる原因で、利害関係者以外だけがソースになるんですね！ 覚えたぞぉ！ メモメモ！」 - 法華狼の日記
「南京大虐殺のことに触れると」と書いているのだから、紛れもなく相関関係を主張しているわけだし、さらには一定の因果関係を見いだしていると読める。「群がられることは分かった」というのだから、当該ブックマークのコメント群だけを「キチガイ」と評しているのではなく、別の場所でも南京事件にふれれば「キチガイ」が群がるとkyoumoe氏が主張したとしか読めない。
話題と群がりの関係を主張していないとkyoumoe氏が説明したことに対し、最初から話題と群がりの因果関係を主張していると私は指摘しただけだ。話題の中身が何であっても、たとえ私が話題に対して否定論者であっても、私の指摘は成立する。実際、当該エントリで私は歴史について何一つ説明を行っていない。
私にとっての本題は、後半の従軍慰安婦論争だ。
「デマを指摘」した内容との整合性を細かく問い、具体的な証言や資料も探し、ずっと手間も時間もかけた。直接の引用はしていなかったが、下記のような文章を見ていたからだ。
慰安婦の強制連行 - 今日も得る物なしZ
もしかしたら
「軍が業者に依頼した」「業者が強制的に慰安婦を連行した」「つまり軍が強制連行した」
みたいな論理の飛躍なのかも知れんが、実際問題として日本軍による慰安婦の強制連行はあったという明確な証拠って現時点で存在してんの？
日本軍に人集めを依頼されたブローカーによる強制連行じゃないよ。
あー、日本軍がブローカーに強制連行を指示してる証拠ならそれでもいいです。
いや、実をいうと、いくつかの証言や資料を提示したことに対して、形式的な感謝の言葉くらいもらえるかもしれない、とも少し思っていた。そうでも思わないと、見当ついてて探しやすいかわりに知的好奇心が満たされない調べ物はできなかったから。別に全く反応されなくても、それはそれでいいと思っていた程度の気分だが。
*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20110505/1304606804
*2:まさか、直接的に名指ししていない状態で解釈したからといって、この表現を私が認めたとは主張しないと思う。
