法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デジモンクロスウォーズ』第30話 新たなる旅立ち!! 東京大決戦!!

八島善孝コンテ作画監督総作画監督修正が入っていることは確実だし*1、原画には大西陽一と共同で、新規の冨田与四一BANK原画もあったが、かなりのカットを自ら手がけていそう。
ただ今回はゴールデンタイム枠の最後であり、実質的な1期最終回なのだから、もう少し特別なスタッフも入って欲しかった。視聴率不振による設定リニューアルおよび枠移動で、スタッフ側が大変なことはわかるのだが。むしろ、ローテで一人原画ができる腕の速さを持っているため、今回を担当することになったと考えるべきか。


物語としては、主人公達の目標を中盤で再確認する、王道的な内容ではあった。
リアルワールドへ戻ってきた主人公達が、あらためてデジタルワールドへの戦いに行く決断をするまでを描く。主人公タイキの決意と、今回で別離するアカリとセンジロウの存在意義を見せつつ、デジタルワールドの問題がリアルワールドへ波及することも手早く説明した。オメガモンの登場で、旧デジモンシリーズに愛着がある視聴者へのアピールもある。あくまで一区切りと考えれば*2落とし所として順当。
しかし、現実世界を舞台とすることで怪獣映画的なバトルが楽しめるかと思ったが、想像していたよりは省力した画面で、あまりアクションを楽しめなかった。もう少し巨大感を出す構図や、見慣れた風景で戦う迫真性がほしかったところ。怪獣映画的なアニメ演出は過去作品に素晴らしいものが多すぎて*3、どうしても比較して評価がつらくなる。

*1:大塚健twitterで確認できた。今回に登場したオメガモンは、かつて参加した映画『デジモンテイマーズ 冒険者たちの戦い』でも描いた経験があるという。http://twitter.com/ken_oo/status/42543217442439168参照。なお、他にも原画で板野一郎等のそうそうたるアニメーターが参加しているが、かなり全体が粗い作りのアニメで、残念ながら劇場作品として見ると特筆して作画が良いと感じられる作品ではなかった。

*2:今回で放送終了した場合、前回で明らかにされた敵2勢力の兄弟設定など、未消化な要素が多すぎる。

*3:不評意見の多い『デジモンアドベンチャー02』も、現実世界での怪獣映画的な演出はおおむね良かった。