法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

そもそも副市長とは認めにくい仙波敏郎氏が「解任」された理由について

阿久根市竹原信一前市長から専決で「副市長」という役職を与えられた仙波敏郎氏が、西平良将新市長から解任された。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110118-OYT1T00855.htm

 鹿児島県阿久根市の出直し市長選で落選した竹原信一前市長を支持する市民らは18日、「阿久根を考える会」を設立し、市役所1階ロビーで意見交換会を開いた。

 意見交換会には50人以上が集まり、専決処分で副市長に選任され、17日に解任された仙波敏郎氏や、竹原氏が採用した市職員も参加。代表に就任した仙波氏は「対話を重んじる市長が問答無用で私を解職し、総務課長も更迭した。報復人事だ」などと西平良将市長の批判を展開し、決起集会の様相を呈した。

 竹原氏は意見交換会に先立ち、報道陣に「議会を解散し、市民側の議員を当選させなければならない」と述べ、議会解散の賛否を問う住民投票(2月20日投開票)に向けて活動していく考えを示した。
(2011年1月18日21時13分 読売新聞)

前市長の失職にともなって辞任する意向を示していた仙波氏だが、新市長からの解任には反発している。
この解任劇について、はてなブックマークでは「そもそも副市長でなかったので知りませんという立場はとれなかったのかなあ」といった疑問がb:id:nisshi_jp氏らから出されていた。
はてなブックマーク - 「報復人事だ」阿久根副市長解任の仙波氏ら集会 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
この疑問はもっともだと思う。その公式な答えと思われる報道が、愛媛新聞記事にあった。愛媛県は、仙波氏が巡査部長時代に県警裏金告発で名をあげた出身地だ。
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20110117/news20110117751.html

 16日投票の鹿児島県阿久根市長選で初当選した西平良将市長(37)は17日、竹原信一前市長(51)が昨年7月に専決処分で副市長に選任した元愛媛県警巡査部長の仙波敏郎氏(61)を17日付で解任した。
 会見で西平市長は解任理由を「意中の人がいる」と説明し、新体制で市政を運営する姿勢を明確にした。違法性の疑いのある専決処分で選任された副市長職を解任することについては「個人的には副市長の専決処分を認めているわけではないが、これまで阿久根のために尽力していただいたことに敬意を払いたい」と話し、事実上の副市長として遇した上での辞令交付とした。
 同日午後2時ごろ、仙波氏は西平市長から解任の辞令を受け取った。
 今後の進路について仙波氏は「阿久根に残り、行政改革の補佐をしたい」と語り、竹原前市長と行動を共にすることを明らかにした。一部で取りざたされていた市議選などへの出馬は否定した。

西平新市長なりの敬意で、法的に微妙であっても形式的に副市長として遇した、というわけ。仙波氏には伝わらなかったようだが……
もう一つ、西日本新聞からも形式的に解任した理由になるかもしれない記事を紹介する。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/214030

 鹿児島県阿久根市長のリコール(解職請求)成立から一夜明けた6日、市長を失職した竹原信一氏(51)の職務代理者には、専決処分で副市長に選任された仙波敏郎氏(61)が就任した。「議会を開かずに決めた違法な専決」として仙波氏を副市長と認めてこなかった鹿児島県の伊藤祐一郎知事は同日、記者会見し、「次の選挙までの選挙管理態勢ということだろう。それまで適正に務めてもらえればそれでいい」と“期間限定”で容認する考えを示した。

つまり竹原前市長に対するリコール成功によって、非公式的な副市長だった仙波氏が、限定的ながら知事から代理として容認する発言を引き出してしまったということ。政治的にはこちらが形式的に解任の手続きをふむ要因かもしれない。
むろん、だからといってリコールをするべきではなかったという話にはならないが。