法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第34話 すごいパワーです!キュアムーンライト!!

馬越嘉彦作画監督。ちゃんとキャラクターの統一感を出しながら、カットごとでは以外に原画の個性を残している加減が良かった。序盤で煙の輪郭が四角いところとかが面白い。原画には初回以来ごぶさただった石野聡の名前も。
演出は小川孝治。良い作画を無駄にしないコンテはもちろん、キュアブロッサム戦からキュアマリン戦へカットを繋ぐテンポの良さなども目を引いた。水辺ならではのアクションに、橋を使ってキャラクターが画面の向こうから現れてくる描写と、舞台背景も見せ場に使っている。
あまり演出とは関係ないが、ほとんどのプリキュアがすでに変身しているためバンクで時間をとることもなく、たっぷりのアクションが楽しめた。


物語はほとんど完璧。
今シリーズでは、新アイテムや新プリキュアの登場がうまく作品フォーマットに落とし込めないことが多かった。ダークプリキュアとの戦闘に終始してドラマが薄かったり、話の要素をつめこみすぎていたり、描ききれずに新登場を次回へ持ち越してしまったり……比べて今回は、前後編にして尺に余裕を持たせつつ、新プリキュアの心の花を復活させるという作品フォーマットへドラマを落とし込み、描くべきことを描きつつ作品ならではの描写で完成させている。
ムーンライトが月の光ならダークが影という表現を、割れた心の種を三日月と新月に見立てた描写も地味にいい*1
キュアムーンライトと妖精の別離を明確に描き、そこから先日に登場したアイテムを用いて視点を主人公達へ戻し、日常に回帰して次回へ繋げる結末も隙がない。

*1:一応、以前に視聴者側から指摘する意見を見かけた記憶はある。映像として明確に描写したのが良かったということ。