長峯達也SD、馬越嘉彦キャラクターデザイナー、それぞれが演出と作画監督を担当。原画には、いつものスタジオコクピットアニメーターに加えて、すしおが参加。
よく演出や作画でデフォルメを効かせつつ、さすが各キャラクターのニュアンスを拾っている。たとえば主人公の身長差は他の作画監督も拾っているが、つぼみの頬がシャープな輪郭であることに対し、えりかの頬はモチッとふくらんでいる*1ような個性まで拾うことは難しい。
アクションもまた良く動き、止めて決めるカットとのメリハリもある。一部の使いまわしも目立ったが、戦闘員スナッキーとのバトルはきちんとアニメーションとして見せていた。スナッキーとの殺陣をしっかり見せているから、実質的には棒立ちが多いダークプリキュアも存在感が出る。スナッキーが変装したり、体型が違っていたりの遊びも単なる戦闘員には終わらない個性を出していて良かったな。
ただ、あまり脚本は感心しなかったな。月影ゆりは思わせぶりな描写に終始し、えりかの姉と親交がある立場が活かされていない。せめて植物園で登場した時、姉の知人であることをえりかがつぼみに伝える描写がほしかった*2。えりかが姉から知らされていないのであれば、そう明確に描写するべきだったと思う。前半は、キャラクターの神秘性を出すより、まず作中の立場を優先して描写してほしい。
結末も、倒れた主人公プリキュアを放置し、月影ゆりとダークプリキュア2人の世界が展開されるとか、完全に少年マンガのノリだろう。そういう変身ヒーローアニメと思えば、そう悪い描写ではないのだが……米村正二は、良くも悪くも平成仮面ライダーと似た気分で脚本を書いているのだろうな。