法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第17話 狙われた真王

前回に続けて「セ・ザン」の青年を主人公とした物語。
なるほど、エリンが関わらない出来事へ焦点を移すことで、時間経過を飛ばす不自然さを軽減したわけか。前々回*1に感じた、制作側の都合で時間経過をなおざりにしているという懸念は失当だったようだ。


今回は本筋もいい。姫はありきたりな性格付けがされているものの、複雑な意図を持った周囲との関係により、浮世離れした性格が良い意味で印象深くなる。他の登場人物も単純なキャラクターばかりだが、だからこそ登場人物が多いわりに展開を飲み込みやすい。大きく物語が動いたわけではないが、王都に集まる重要人物の意図を説明する繋ぎ回としては良くできていた。
映像面では、樹木から舞い散る白い花びら描写が印象的。これまで画面に登場していない色の花で植生が異なることを示し*2、エリンの故郷やジョウンの牧場と異なる地域と視覚的に表現。特別な儀式の日らしい季節感も出ている。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20090418/1240669074

*2:正確には、儀式のため車で運んできたのだが。