物語は前半のみ。
じっくり山奥のひなびた生活を描きつつ、恐怖描写と謎解きをからめれば中編化も難しくなさそうな題材だけに、比較的あっさりしたギャグ短編にアニメ化されたのが残念。
原作は中盤までホラーで盛り上げ、種明かしされからコメディに移行するわけだが、アニメの種明かしが早すぎて、せっかくの伏線強化が意味をなしていない。村に人がいない経緯をパパが説明する時、雪女の伝説を持ち出してのび太たちを驚かすのは後半を盛り上げるため効果的と思ったのに、すぐさま種明かししてしまう……
原作を使い切って再アニメ化される時には、思い切って結末まで種明かしせずサスペンスホラーに徹し、原作結末部からさかのぼって真相を開示するような作りにしてほしいな。あくまで個人的な希望だが。
後半、宇宙がらみのイベント紹介はさておき。
心に残る30作品で、男女別に得票率が高かった作品の提示に、少しばかり違和感があった。女性の得票が集まった作品に対し、のび太が「特徴が出ている」といったようなコメントをつけ、3作品を選んで場面紹介していたのだが、個人的な印象では紹介されたような恋愛描写が全面に出ている作品ばかりではない。たとえば「ドラマチックガス」だが、あらゆる出来事が誇張される秘密道具が使われたため、過剰な恋愛描写がギャグの一つとして存在するコメディ回にすぎない。せいぜい読み取れるのは、女性キャラが登場している回が票を集めた可能性がある程度ではないかと思った。
