法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『テレパシー少女 蘭』第1話 蘭、テレパシー!〜ねらわれた街〜

あさのあつこ原作は青い鳥文庫の棚で見かけたことがあるものの、中を読み込んだことはない。
ありきたりな日常を説明的なほどていねいに描写しながら、唐突に容赦ない事件や事故が発生する、いかにもNHK教育らしいアニメなのだが、この展開が原作通りかは不明。
中盤に交差点で主人公が名波翠と邂逅する場面も、演出込みでアニメ映画版『時をかける少女』を思い出したが、やはり原作通りかどうかは知らない。


キャラクターデザインから入射光の使い方まで古臭いが癖もなく、万人向けな印象。ちょっと出崎作品ぽさを感じたが、数年前にNHK総合出崎統が監督した『雪の女王』が同じトムス制作で撮影に似た印象があること、脚本関係も出崎作品と共通していること、といった理由があるためかな。
特筆して巧いといえる作画はないが、繁華街の交差点を歩く人の群れ、出勤や登校する風景をしっかり動かしているのは好感を持った。特に交差点は、直後に時間停止して見える演出を引き立たせるため*1、手を抜かず群集を動かしている。主人公母の細かい演技も悪くない。


キャラクターデザインは、物語が面白くなれば現代でも通用していける絵柄だと思うので問題ない。
とにかく展開が古臭く、定型から一歩も出ていないのが不安要素。NHKアニメらしく良い意味で明後日の方向に飛んでくれたら嬉しいのだが。

*1:だから時間停止演出が終了した後、主人公の背後には、作画で動かさなくても不自然でないように待ち人ばかりが映る。