法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

橋下徹弁護士が提訴されたことについて簡単に

実際に訴訟に発展したためか、先ごろ一般的にも報道された。
http://www.asahi.com/national/update/0903/OSK200709030032.html

「TVで業務妨害橋下弁護士を提訴 光市事件弁護人

2007年09月03日12時13分

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件の差し戻し控訴審で、殺人、強姦(ごうかん)致死、窃盗の罪に問われた当時18歳の元少年(26)の弁護団に加わる弁護士4人が3日、テレビ番組内で懲戒処分を視聴者に呼びかけられて業務を妨害されたとして、大阪弁護士会所属の橋下徹(はしもと・とおる)弁護士を相手取り、1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。

 訴えたのは、広島弁護士会所属の足立修一、今枝仁の両弁護士ら4人。今枝弁護士によると、橋下弁護士は、5月27日に放映された関西の民放テレビ番組で、懲戒処分を弁護士会に求めるよう視聴者に呼びかける発言をした。その後、広島弁護士会には4人の弁護士の懲戒処分請求がそれぞれ300通以上届き、対応に追われるなどして業務に支障が出たという。

 橋下弁護士の所属する芸能事務所は「送達された訴状を確認次第、至急、橋下本人が会見を開いて対応について説明する」としている。

 この事件で最高裁は06年6月、「特に酌むべき事情がない限り、死刑を選択するほかない」として二審の無期懲役判決を破棄し、広島高裁に差し戻している。

ネットで擁護する意見の安易さ、橋下弁護士主張との齟齬を見るにつけ、橋下弁護士こそ世間への説明が足りないのではないかと強く思う*1
開く予定の会見でブログと同様の発言をすれば、怒りや失望を招きかねないと思うが、どうするつもりだろうか。


ちなみに橋下弁護士は税の申告を間違ったことがあり、過大にとらえた産経新聞誤報を出したことがある。
結局は産経新聞が訂正記事を出して決着したわけだが、当時のブログでは誤報について相当に危ういことを書いていた*2
2006-05-23

http://hashimotol.exblog.jp/3489155/

なぜ、法律事務所として経営が成り立っていたのかと言いますと、私は、示談交渉において紛議を解決することを前面に打ち出して、顧客を獲得したからです。当然、示談交渉の相手には、不法団体も含まれますし、法廷での解決と違い、法律や判例を振りかざすだけでは解決できません。

そこで、さまざまな情報提供者等や仲介者を使い、相手に関する情報を取得し、示談交渉に役立てております。しかしながら、そのような情報提供者からは領収書などは取れません。相手と同じ団体に属する場合、つまりスパイも多いからです。

読めば読むほど、「この人は、弁護士として、日頃、どういう仕事をしているんだろう?」と疑問がふくらんできますね。示談交渉を行うのに、そこまで「さまざまな情報提供者や仲介者」を使う必要があるのか?示談交渉で、そこまでして取得する「相手に関する情報」とは、一体、何なのか?そういった、一種の裏情報を役立てた上での示談交渉が、弁護士が行う交渉として、適正、妥当に進められているのか?相手と同じ団体に属する「スパイ」から情報を得て示談交渉を進めることが、弁護士倫理上、問題にならないのか?次々と疑問が起きてきます。

今回の件で昔の問題言動が掘り起こされた場合*3、タレント活動を続けられるのだろうか、と他人事ながら気にならなくもない。

*1:そもそも弁護士会という狭い世間ですら説得できていない。

*2:橋下弁護士の当該エントリはすでに消去されている。

*3:買春をODAと主張する発言は思い返してもひどい。