法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

マイク・ホンダの右頬 訂正補足

コメント欄でStiffmuscle氏から指摘をいただいた。「hundreds of thousand of civilians.」は約数十万人といった広い範囲を指し、これだけでは犠牲者数がどの説に近いかはわからないというのが正解とのこと。少なくともホンダ議員が中国説を支持していないとは断言できないので、前回エントリの該当する主張を取り下げることとする。
ちなみに批判対象であった「しかし、米国内で批判が大きい中国の人権問題に関しては「将来の改善が見込まれる。」として、寛容的な立場を取り続けている[3]。」という文章は、すでに現在のWIKIPEDIAから削除されている。削除された文章にあえて批判を加えると、そもそも情報源として示された発言は一つだけだった。なのに「取り続けている」という形容をつけていたのは、明らかに誤りだろう。少なくとも二度は同じ発言をしないと、続けているとは呼べない。


あと、間違い自体は細かいところだが。

5月4日 AP通信が4日付で、終戦直後に、アメリカの進駐軍が日本の政府や旧軍当局に売春婦の調達や売春施設の開設を許可した書類が発見されたと報じたことを受け、議会調査局に米軍についての調査を依頼。

AP通信の最初の報道は、4月26日だったと記憶している。少なくとも、AP通信が4日に報じたのを受けたのなら、同じ4日の記事にホンダ議員が指示したという内容が載るはずがない。
そしてRAA自体についてだが、戦中か戦後かの違いだけで日本が国家として売春婦を騙し集めた従軍慰安婦なのは変わらないだけに、調査対象になるのは当然だろう。何より、太平洋戦争において日系米国人収容所に入れられ、そしてベトナム戦争を経験した者として、米国の暗部となる領域でもホンダ議員はためらわないと思われる。他の人権派議員もおおむねそうだろう。5月4日AP通信記事の全文を読むと、従軍慰安婦と日系米国人収容所は同じように問題だと決議案支持議員が見ていることが書かれている*1
AP通信記事を「ブーメラン」と誤読した人々は、議員が自国にとって都合の悪いことを積極的に調査するよう指示するわけがないと、頭から思い込んでいるのだろう。おそらく、自分自身がそうであるがゆえに。