法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『カレイドスター 新たなる翼』第43話 ポリスの すごい プロポーズ について

G&G ENTERTAINMENT
2003年 カレイドスター(43話)商店に掲げられる×印を描かれた日の丸と、Keep Outの文字
     ttp://www.geocities.jp/katagi72000/kaleidostar43.jpg

指摘されている中で、日本を象徴するものに対する悪意が明確に描かれた映像はこれだけだ*1。では、G&G ENTERTAINMENTに反日韓国人スタッフがいるのだろうか?


実際に映像で見るとわかるのだが、このカットを末端スタッフが勝手に描いたということは全く考えられない。この前後のカットで舞台が廃虚ということは示されており、このような人種差別的な光景があっても不自然ではない流れなのだ。画面全体に数秒間もはっきり映っているカットであり、チェックで気づかないとも考えにくい。
何より、手前の日章旗と、奥の廃虚はわざわざ別の絵に別けてあり、密着マルチ*2で処理している。つまり手間をかけ、わざわざ日章旗の×を見せつけるように演出で意図しているカットなのだ。このカットが演出家の制御下にあることは確実で、原画や動画が勝手に書き加えたものではない。
中央の赤が規定より大きく描かれていることも奇妙だ。『マンガ嫌韓流』を批判するブログで、反日デモ等で赤丸を大きく描くことはないという指摘があった。むしろ赤丸を小さく描く傾向にあるらしい。
http://blog.livedoor.jp/korea19740303/archives/50264719.html


次に、この作品の設定を公式サイトから引用しておこう。

http://www.kaleidostar.jp/kaleido/kaleido.html
カレイドステージ」。それはサーカスでもない、ミュージカルでもない、マジックでもない世界的に大人気のエンターテイメントショウ。主人公・苗木野そらは16歳の女の子。幼い頃、今は亡き両親と観た想い出の「カレイドステージ」に憧れて、たった1人、オーディションを受けるため義父母の反対を押し切り日本から単身アメリカへやってきた。オーディションに遅刻しながらも特例として入団を認められはしたが周囲の風当たりは冷たい。そんな中、そらは持ち前の、決して諦めない根性と天性の<華>、そして仲間達との友情と確執の中で、ステージの花形《カレイドスター》を目指してあらゆる試練を乗り越えていく。

カンの良い人なら「日本から単身アメリカへやってきた」という初期設定を見ただけで気づいたかもしれない。続いて、43話までのあらすじを私なりに説明する。

第二部『新たなる翼』においてレイラと別れたそらは、新規入団者によってカレイドステージが荒れていく様子に心を痛め、「争いのないステージ」を求めて様々な人に出会い、「天使の技」という理想をかなえられるかもしれない技を行おうとする。
再会したレイラからコンテストに出るよう提示され、天使の技を披露しようと決意するが、争いに満ちた舞台裏に悲しみ、コンテストを途中棄権。理想と現実の落差にとまどいステージに上がらなくなったそらを見て、レイラは失望したと告げる。
43話における主人公そらは、尊敬し追いかけていたレイラと求める先が異なると気づき、いまだ進むべき道に悩んでいる。そらに恋心をいだいているケンが力づけようとデートに誘ったが、目的のデートスポットは全て廃虚となっていた。

目標を見失ったそらの停滞を、コメディ的なデート話と暗喩カットで表現する、端正に構成された回である。後半に見せる展開も、主人公とゲストの心情が重なりつつ前に進んでいくというアイロニーに満ちている。
そう、問題のカットは、レギュラーでただ一人日本人である主人公の状況を示す、暗喩表現なのだ。


暗喩カットである傍証は他にもある。問題にされたカットの少し後に、合流してきたポリスとケンがともに恋愛成就に悲観し、男二人で壁に手をついて嘆く場面がある。その壁には「Dream Dead!」という落書きが書かれている。このカットは冒頭の本編紹介部分でも使われていて、制作スタッフが相応の自信を持っている演出なのは間違いないだろう。
つまり、この回を担当した演出家、おそらく絵コンテ担当の佐藤順一監督は、明らかに落書きで心象表現する演出を狙っている。ある程度の映像知識と読解力があれば、反日表現ではなくて演出だと気づくべきなのだ。


演出を演出として受け取る力がないのであれば、アニメを見て充分に楽しむことはできないだろう。何より、他人がそのアニメを見て楽しもうとする機会を奪っている。
演出を反日工作と読み取ることは、韓国にとどまらず日本のアニメスタッフをも愚弄していることを考えなくてはならない。
私が最初に問題の定型文を見て感じたのは、絶望的な浅さだ。まずアニメを語りたいなら、実際にアニメへ目を通そう。できれば作品の制作工程も知っておくべき。作品評価に直結しないことを前提に監督他スタッフの発言を知るのも良いだろう。できる限り同ジャンルの作品とも比較しょう。他人の感想や指摘から気づくこともある。
作品を深く知ることは、作品を深く楽しむことに通じるはずだ。

*1:他は全て、韓国嫌いでなければ反応しないだろう。「JAP」という単語ですら、格好良いと感じて使用する日本人がいるのはご存知の通り。

*2:カメラを移動させるようなカットを制作する時、アニメではカメラ側を固定して絵を撮影台の上で移動して撮影する。この時、手前の絵と奥の絵で移動速度を変えて、奥行きを作り出す技術を密着マルチという。